34 ページ34
・
「うわーーっ、かわいい!かわいいね!しかも善逸カラー!!みてみて小芭内〜!!」
手を繋いでみたはいいものの、相手がAなのでぶんぶん振り回される上に、テーマパークのキャストかと疑うほどテンションが高い。もはや酔いそうなんだが。
先程のド緊張はどこに行った。
そしてなんだ、善逸カラー?○○○○が過ぎる。
「きゃーっ、こういうの見てるだけで楽しいねえ」
「ああ、わかった、わかったから……あ、」
Aに連れさ回された結果立ち寄ったアクセサリーショップで彼女が可愛いと指さしたそれには見覚えがあった。
キラキラと証明に輝く黄色い天然石。
「これは……もう廃盤になったのかと」
「小芭内?」
まさか、あの時の失恋の相手とここに来るなんて思いもしなかった。
それを手に取ってAの首元に合わせてみる。
思った通り、ぴったりだ。
向かい合わせになると思わず見とれそうになってしまうから、慌てて目を逸らした。
「すみません、これを」
「ええっ!!ほんとに!?」
「これ高いよ!?」「いいの!?大丈夫!?」とギャーギャー言っている。相変わらずうるさい。うるさすぎる。
「んーっ、でも小芭内なら似合うと思う!うんうん!!小芭内かわいいもんね!!」
「は?」
訳の分からないことを言いながら満面の笑みを向けてくる。
こいつは俺がこれを自分用に買ったと思っているのか。
そして俺がかわいい?
それは可愛いの意味を取り違えているのかAのセンスがおかしいのかどちらなんだ。
「A用だが」
「ぅぇぇぇえええええええ!?」
「お前は少し声のボリュームを下げられないのか……」
「そんな!!俺今呆れてますみたいな顔しないでよ!?」
「大正解だが」
やっぱりうるさい。
でもきっと、そういう所も好きなのだ。
俺の中の陰険でじみじみとしたところを蹴散らすような大声が。
「つけてやるから向こうを向いてくれ」
「え、あ……うん」
後ろ髪を避けて首の前に手を回してからうなじのところで金具を止めた。
振り向いた顔がほんのりと赤くて、照れが伝染するかのように俺の胸も高なった。
「似合ってる」
「うあ、今すごい叫びたい」
「それはやめろ」
・
697人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
和加 - 声出して笑ってしまうんですが。面白すぎです笑 (2021年2月3日 6時) (レス) id: 263e001d98 (このIDを非表示/違反報告)
いちごミルク(プロフ) - 完結お疲れ様です。面白かったです!! (2020年12月25日 15時) (レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
モブちゃん - キャァァァァァァ!キュンキュンするわ!伊黒さん、お幸せに! (2020年12月25日 7時) (レス) id: 2f84cbf165 (このIDを非表示/違反報告)
みゆきだいふく(プロフ) - 深紅さん» すみません爆笑しましたwwwwwww (2020年12月23日 21時) (レス) id: a48323ed49 (このIDを非表示/違反報告)
深紅(プロフ) - 私の中でLove so sweetが流れた (2020年12月23日 20時) (レス) id: 1de38023e0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みゆきだいふく | 作成日時:2020年12月2日 1時