私と〇〇できないくせに！【伊黒小芭内】

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「まずさ、こういう感じて手を引っ張られたわけ。そんで、こーいうかんじでちゅーして、その後小芭内なんて言ったと思う？」

「……。」

「こういうつもりだと思って欲しい。だって！どういうこと！？ちゅーして、こういうつもり！？ねぇどゆこと！！」



姉ちゃんがアホすぎる。
もうこの女1人を題材にした漫画が描けそうなレベルのアホ。



「俺今まで2人が進展しないの伊黒さんのせいだと思ってたわ」

「えっまってなになに？」

「うちの姉がすみませんってLINEしとくね」

「なんでぇ！？」



がびーん、みたいな音する。

がびーんじゃねんだよ。恋愛偏差値0か。


てか伊黒さんかっこよくね？
なに？キスしてからなんて？

こういうつもりだと思って欲しい？

さすがに惚れるわ。
もはや俺と付き合ってくれいやそれはいらん。



「んー、じゃあもうとりあえずさ、当日のこと考えよ！デート当日！」

「でーと！？」

「ばかなの？」



鈍感もここまできたらどうやって生きてんのか心配するレベル。
てか今までなんで彼氏いたの？錬成した？



「あのね、こういうつもりって言うのは、デートだと思って欲しいってこと！友達としてとか幼なじみとしてじゃなくて、男女として2人で会いましょうねってことだよ！…ってこれ、なんで俺が説明しないといけないんだ……」



頭をがしがしかきながら姉ちゃんの方を見ると、ぽけーっと棒立ちしていた。

おーい、魂抜けてますよ。

そして、「でーと……」と小声で呟いてから突然ぽこぽこと頬を染め始める。

わかります伊黒さん。可愛いですよねこういうとこ。



「う、あ……どうしよう善逸」

「なによ」

「手とか繋ぐかなぁ」

「うーん記憶喪失かな」



今まで散々キスやらアレやらした記憶はいずこへ。

そしてデート＝手繋ぐの単純等式は中学生か？


前に炭治郎に姉ちゃんがおかしいってエピソード話したら、「さすが善逸のお姉さんだなぁ」とか言われたけど俺ここまでじゃないよ。さすがに。



「とにかくさ、姉ちゃんは伊黒さんのこと好きなんでしょ？じゃあそのままの姉ちゃんで行けば大丈夫。ね？」

「ほんと？手汗やばかったらどうしたらいい？」

「……。」



心底伊黒さんに同情した。




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