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「失礼しまーす。化学の質問に来ました。伊黒先生いますか?」

「初めて見る生徒だな。どうした」



少しふざけながら化学準備室のドアを開けると、コーヒーを片手にいつもの鋭い目付きが出迎えてくれた。

それにちょっと乗ってくれた。うれしい。



「いやぁ、授業で使う長文の題材がかなり理系チックでさ、わかんないとこあったから普通に化学の質問」

「ほう、真面目だな」

「よく言われます」



どれ、見せてみろ、と差し出された手にブリントを渡すと、小芭内はスラスラと英文を読み始めた。

英語も出来ちゃうんだよなぁ、これが。



「……これくらいは化学基礎の範疇に収まるはずなんだが」

「な、なによ」

「まぁいい。どこがわからない」

「えーっと、この下から5行目の……」



小芭内ってさ、厳しいけど生徒に人気なのわかる気がする。

別にかっこいいからとかそれだけじゃなくて、普通に教え方が上手い。それに、一回目で理解できなくても意外と圧かけてこないし。ネチネチ言いながらもなんだかんだ分かるまで教えてくれるしさ。

まぁ、ペットボトルロケットの刑はどうかと思うけど。


ほんの少しだけ手元から目を離して、英文を追っているその横顔を盗み見る。


あー、なんだろ


好きだなぁ。




「……何を見ている」

「えっ、いやなんでも」




見とれてましたとかさすがに言えない。




「それで、理解はできたのか」

「はい伊黒先生!」




私がどことなく緊張しているのに気づいたのか、小芭内はふっと吹き出してから言った。



「今は誰もいないから、小芭内でいい」

「えっ……あ、はい」



え、なに。
何ですか今の笑顔。

めちゃくちゃかっこよくなかった?
これってもしかして好きな人フィルターってやつ?


って私は何を考えてるんだ。



少し熱くなってしまった頬を冷たい手で冷やしながら、平然を装う。

ずっと前から一緒にいるはずなのに、今までどうやって小芭内と接してきたのか、最近の私はまるで忘れてしまったかのようなのだ。




「そうだA」


「なんでしょう」




なんとなく椅子をくるくるさせながら小芭内の方を見ると、彼は頬杖をついたままさらりと言った。




「久しぶりに2人で出かけないか」


「へっ…?」




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和加 - 声出して笑ってしまうんですが。面白すぎです笑 (2021年2月3日 6時) (レス) id: 263e001d98 (このIDを非表示/違反報告)
いちごミルク(プロフ) - 完結お疲れ様です。面白かったです!! (2020年12月25日 15時) (レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
モブちゃん - キャァァァァァァ!キュンキュンするわ!伊黒さん、お幸せに! (2020年12月25日 7時) (レス) id: 2f84cbf165 (このIDを非表示/違反報告)
みゆきだいふく(プロフ) - 深紅さん» すみません爆笑しましたwwwwwww (2020年12月23日 21時) (レス) id: a48323ed49 (このIDを非表示/違反報告)
深紅(プロフ) - 私の中でLove so sweetが流れた (2020年12月23日 20時) (レス) id: 1de38023e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゆきだいふく | 作成日時:2020年12月2日 1時

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