私と〇〇できないくせに！【伊黒小芭内】

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「違ェよ！！ほんっっとお前ってやつは腹立つなァ！！ぶち殺すぞォ！！」

「落ち着け不死川、深呼吸だ」

「ア“ァ！？」


鬼滅学園はミスコンだけじゃなく腹立つ顔コンテストもやった方がいいんじゃね、1位のやつにはハイカラバンドの生贄になるっていう賞品付きで。コイツなら泣いて喜ぶぞ。

つか、なんで説明しねぇとわかんねぇんだよ。



「当て馬っつーのはな、あの二人……伊黒と我妻Aがくっつくための足がかりのことだよォ」

「……ほう」



理解してんのかしてねぇのか見分けがつかん。

こんなのと毎日楽しそうに雑談してる“ヤツ”の脳がどうなってんのか知りてぇよ。



「つまり、俺はどうすればいい」

「いいかァ？伊黒の視線を感じたら我妻にアクションを起こせ。ちょっとしたボディタッチでいい」

「俺の命の保証はあるのか」

「ない」




すまん冨岡。
夢を諦めて死んでくれ。




「なぜ俺なんだ」

「それを説明するとクソほどお前の悪口言うことになるけどいいのか」

「……少し心の準備をさせて欲しい」



心の準備の顔真顔過ぎねぇか。
それ本当に準備できてんのかよ。




「よし、来い」

「テメェその竹刀をしまえ竹刀を！」




喧嘩する気満々かよ。




「伊黒ってよ、ああ見えて地味に優しいんだよなァ」

「俺は優しくされたことなどないが」

「それは知らん」




冨岡のHPがじわじわと減っているのが見えたが仕方ない。
これもアイツらのためだ。



「んでよ、あいつにそこそこ好かれてる俺や煉獄だと当て馬の意味がねェだろ、普通に許してくれそうだからな。つまり、伊黒に1番嫌われてる冨岡にしか頼めねぇつーわけだ」

「俺は嫌われてない」

「嫌われてんだよ(辛辣)」



スンッみたいな顔すんじゃねぇよ。


しばらくして、冨岡は悟りを開いたかのように言った。





「不死川、蔦子姉さんには今までありがとうと伝えておいてくれ」




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