#237【墓守】 ページ47
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手を後ろに固定し、膝立ちをさせて首を差し出す姿をさせる。今どんな思いをしているのか、目隠しをされている為分からない。
「最後に言い残した事は」
「・・・出来ればわたしを彼らの傍に置いてください」
「分かった」
彼女は“隻眼の梟”であるエト、高槻泉が亡くなった翌日に〔CCG〕に現れた。“野狐”が居ない今彼女はすぐに排除された。
“野狐”の“盾”として傍に居たコウはひっそりと微笑んでいた。
彼らの最後は笑っていた。最後の最後まで“野狐”を想っていた。
コウの願いを聞き入れ、柳下は誰も寄り付かない場所に墓を建てた。
────両腕の無い、首と胴体が離れたラク。
────水死体として見つかったコブ。
────身体が穴だらけのコサメ。
────首と胴体が離れたコウ。
四人全員差はあるものの顔に笑みを浮かべ息絶えている。しかも、なぜか全員赫包が消えていた。それが影乃の仕業なのかと柳下は疑ったが、もう確認する術は無い。
柳下は“野狐”を討伐してから気力が無くなっていった。復讐を源に動いていた柳下は悲願を叶え、何を目標にすればいいのか分からなくなった。
「お前は・・・楽しかったか?」
あァ!楽しかったぜ!!
風と共に憎々しい“野狐”の声が聞こえた。
柳下が建てた墓には白い狐が墓守をしているのを密かに囁かれていた。
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水無月(プロフ) - 乾さん» 今更になってしまいますがありがとうございます!一時期題名が落ち着かない時がありましたが最後まで読んでいただきありがとうございました!! (2018年8月10日 23時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
乾 - 完結おめでとうございます!!この作品は、名前が何度か変わっていましたがそんな連載当時から好きでした。素敵な作品をありがとうございました (2018年7月2日 18時) (レス) id: de2fb18392 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 瑠伊さん» ありがとうございます!素敵と言ってもらえてとても嬉しいです!! (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 慶さん» ありがとうございます!面白いと感じてもらえてとても嬉しいです!! (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 宮野 ミヤさん» ありがとうございます!気に入ってもらえとても嬉しいです!! (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月 | 作成日時:2017年12月27日 18時