#223〈干渉〉 ページ33
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「おい、見てみろよコサメ」
ふと見えた空間を指さし、コサメに見るように促す。素直にコサメを俺が指さした方向を見ると僅かに目を見開いた。
「これは･･･コブ殿？」
割れた空間から覗く映像は第三者の目からコブを見ている目線で、その姿は血だらけである。チラリと見える白髪とクインケの使いこなしに有馬貴将と戦っていると推測する。
「こりゃ死ぬな」
「そうですね･･･コウ殿とコリ殿は？」
辺りを見渡すが割れた空間はここひとつしかないのでまだ死は来ていない。
「知ってっか？こっちからでも干渉出来んだぜ」
コブは諦めているのか不調なのか動きが鈍い。コブが映る空間に腕を伸ばすとぶつかる事なくスルリと通る。
そしてコブの首根っこを掴み、思いっきり後ろに引っ張る。そのお陰でコブの目の前に有馬のクインケが通るだけで終わった。これにはコブにも有馬にも予想外で目を見開く姿が面白い。
「ラクさま赫子は出さないのですか？」
「出してみろ」
グッと羽赫を出すように力を入れているのか身体が強ばるが、出ない事に今気付いたのか眉間にシワが寄る。
「出ません」
「赫子が当たり前にしちまうと不便でどうしようもねェ」
割れた空間は無くなり再びこの世が分からなくなった。これで死んでいればコブの魂はこっちに来るはず。
今もカネキくんを引っ張って歩くがゴールが見つかる気がしない。しかし、カネキくんの身体は元々透けていたのに更に透けて今にも消えそうだ。
虚ろな目は正気を取り戻そうとしているのか目に輝きは戻っていないが、以前よりはマシな目になった。
「なァ、カネキくん
俺でも好きな人は居たんだぜ」
ピクリと握った手が動く、これも大きな進歩で独り言ではないと分かる。
「つっても“喰種”なんだけどな
リゼと同じ所から出た奴でな俺をそこから救ってくれたんだ」
「･････････貴方は何者なんですか」
「ただの“喰種”さ
親父が尾赫で、おふくろが甲赫の両方受け継がれて産まれた“喰種”
弟は尾赫だけなんだけどな」
「どうしてそんなに強いのですか」
「同類を喰ったら強くなった
それ以外でもそれ以下でもない
後は経験だな
いや、努力も必要かな？」
ぽつりぽつりとカネキくんと言葉を交える。
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水無月(プロフ) - 乾さん» 今更になってしまいますがありがとうございます！一時期題名が落ち着かない時がありましたが最後まで読んでいただきありがとうございました！！ (2018年8月10日 23時) (
レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
乾 - 完結おめでとうございます！！この作品は、名前が何度か変わっていましたがそんな連載当時から好きでした。素敵な作品をありがとうございました (2018年7月2日 18時) (レス) id: de2fb18392 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 瑠伊さん» ありがとうございます！素敵と言ってもらえてとても嬉しいです！！ (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 慶さん» ありがとうございます！面白いと感じてもらえてとても嬉しいです！！ (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 宮野 ミヤさん» ありがとうございます！気に入ってもらえとても嬉しいです！！ (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水無月 | 作成日時：2017年12月27日 18時
