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独特の匂いが立ち込めた部屋の中、私達は眠っていた。
目を覚ませば夕日が部屋に差し込んでいた。
青色が朱色に溶け込む、紫の空が見える
昼と夜の狭間、ほんの僅かな「魔法の時間」。
ぼやけた視界の中でしばらく動かないでいると、携帯の通知音が鳴り響いた。
私の携帯だ。
スマホに手を伸ばす為、身体を起こそうとするが、それは彼の手によって止められてしまった。
『ウォヌ？』
呼びかけるものの、返事は無い。
何とか抜け出そうとゴソゴソと動いてみるが、全く反応がない。
不思議に思って彼の顔を見上げてみる。
ウォヌ『おはよ。』
彼は笑っていた。
『もう、ウォヌ。』
拗ねたように頬を膨らませると、
ごめん、と謝りながら彼は私を立ち上がらせてくれた。
ウォヌ『お風呂入っておいで、』
何故かきちんと畳んである制服を渡すと、お風呂場まで連れていってくれる。
これも毎度の事。
彼の両親は仕事の都合であまり家に居ないため、たまに借りているのだ。
髪の毛を濡らさないように、
タオルを巻きながら、ササッとシャワーを浴び終える。
着替えを終えて部屋に戻ると、
放置していたスマホをタップする、通知画面いっぱいにメッセージが届いていた。
『うわぁ。』
不在着信13件
未読メッセージ56件
シャワーで温まったはずの身体が一気に冷めていく。
『忘れてた。』
6時17分、今から走れば電車に間に合う。
早く帰らないと、
急いで荷物をまとめると、リビングに居るウォヌのもとへ向かった。
『ごめん、ウォヌ。私帰るね。』
ウォヌは時計を確認すると、私の顔を見つめる。
ウォヌ『送ってく、』
『大丈夫、そんなに遠くないし、』
ウォヌ『ん、わかった。気をつけてね。』
玄関まで私を送ってくれた彼に手を振る、
私は足早に扉を開けると、駅に向かって走った。
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ozu__(プロフ) - 素敵なコメントをありがとうございます。 (2022年3月2日 13時) (
レス) id: bfe25aa6c9 (このIDを非表示/違反報告)
びぃだま - 更新してくださって感動です！！！なんだか文学的と言うか、伏線が散りばめられていて面白いなと思ってたので…これからもお時間のあるときに是非更新してください！ (2022年3月2日 1時) (レス) id: 4179bc5d94 (このIDを非表示/違反報告)
理緒(プロフ) - 好きな作品です！更新楽しみにしていますね！ (2020年10月14日 0時) (レス) id: 6918a06ad7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ozu__ | 作成日時：2020年4月23日 13時
