手記肆拾頁目 ページ42
狛治side
今夜も庭に出て、Aさんの屋敷側への塀の前をあっちへこっちへと行き来していた。
恋「狛治さん……もうこんな夜更けですよ?」
手に行燈を持った恋雪さんが、慶三さんに支えられながら俺の元へとやってきた。
慶「もう、床に就きなさい。」
師範は、眉を下げて俺を憐れむような目で見つめてはそう言った。
狛「俺達はあの日、あの夜……心を通わせあったんです。」
けど、あの日から俺はAさんに会えていない。
以前は、毎日俺の隣に居たはずのAさんが俺の隣に居なくその日々は苦しく、長い。
もしAさんの父親が、兄が言っていた事全てが事実だったら。
きっとAさんは心底辛い思いをして居るんだろう、そう思うと胸がどうしようもなく痛んで、こんな状況で手も足も出ない自分自身に腹が立って仕方がなかった。
下を向いていると、俺の視界に師範の足が写りこんできた。
慶「最近のお前は、こんな調子だ。稽古も……それ以外も。人様の家庭の事情には、無闇矢鱈に首を突っ込まない方が良い。」
俺の肩を師範の大きな手が重く、けど優しく叩いた。
慶「これは、お前には酷な言葉かもしれないが……。忘れて切り替えるのも一つの手段だ。」
それを言った師範は、呆然と立ち尽くす俺を暫く見つめて此方を気にする恋雪さんと共に屋敷へと戻っていった。
狛「Aさんと、会いたいっ……!」
星が煌めく夜空は俺のもやもやと曇り空の心とは正反対で、とても綺麗だった。
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主人公(プロフ) - まゆまゆさん» 本作品を見つけて頂きありがとうございます!私も映画見る前はそうでした笑是非ともこれからもご愛読頂けると嬉しいです(^^) (2021年3月26日 15時) (レス) id: b1a69e75f8 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - やぁ〜、猗窩座とのお話しを探して三千里(はっ?)なかなか書いてらっしゃる方居なくて、見付けたら嬉しくて善逸みたいに汚ない高音でイィヤァァァア〜状態w自分無限列車何も知らずに観に行って猗窩座の第一声で石田彰さんて解って涎垂らしそうな程で、幸せ (2021年3月26日 14時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
主人公(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます。やっとこさ1を書き終えました。続編も近日公開致しますので是非ともこれからも応援お願い致します! (2021年3月18日 18時) (レス) id: 1c0023d245 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 初めまして!この作品大好きで、ずーっと更新をお待ちしてたので嬉しいです!!!はくじさんと早く会えますように( ; ; )最後どうなるのか気になります!! (2021年2月21日 7時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白くて大好きです!更新頑張って下さい! (2021年1月9日 5時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
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