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手記参拾伍頁目 ページ37

狛治side





暫く二人で攻防していたが、それは相手が泣き崩れた事によってそれは終わった。





「ごめんなっ……ごめん……」





突然崩れ落ちた相手は両の手を血管が浮かび上がる程強く握り、歯を食いしばっていた。





最初は呆然と見ていたが、慌てて背中を擦る。





「Aっ……」





その人の口からAさんの名前が出てきて、俺は咄嗟に反応した。





狛「Aさんに、何かあったんですか。」





俺がそう聞くと、Aさんの兄様は俺の両の手をぎゅうっと握って面を上げた。





「あぁ、一時でもAを、君を疑っていた俺が馬鹿だったな……。こんなに君は、優しいのに……。」





Aの兄様はそう言って、また一つ涙を零した。





「俺の、いや俺達の父は素流道場……つまり君や君の居候してる家族を嫌っている。理由は俺には分からない。」





涙ながらにそうぽつぽつと語り始めた。





「今までAが自身が嫌う素流道場へ通うのを目を瞑っていた父は、君が来てからそれを容認しなくなってきた。……君のその入れ墨を見てから。」





そう言ったAの兄様は俺の腕に目を落とした。





「最初は、俺も疑ったよ。入れ墨は、所謂罪人の証だろう。……けど、妹はそれを知らなかった。……隠していたんだろう。」





そう今度はAさんの兄様に見つめられ、俺が視線を逸らす番になっていた。





「妹は、それを父から聞いたんだ。けど妹はそんな君をも受け入れ、愛すと言ったんだ。」





その言葉を聞いて、胸が熱くたぎる。





いつの間にか俺の特別な存在になっていたAさんに、俺から離れていってほしくなくて隠していた。





きっとAさんは、怒るだろう。それも含めて、俺は会ってAさんに謝らなくてはいけない。





狛「なら、尚更会わせて……!」





そう続きを口に出そうとした瞬間、Aさんの兄様の瞳が恐怖の色を混じらせ俺ではない、俺の後ろを見つめた。





「父、上……………。」





咄嗟に後ろを振り返ってみると、威厳と貫禄を持ち合わせた男が立っていた。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 猗窩座 , 狛治   
作品ジャンル:恋愛
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主人公(プロフ) - まゆまゆさん» 本作品を見つけて頂きありがとうございます!私も映画見る前はそうでした笑是非ともこれからもご愛読頂けると嬉しいです(^^) (2021年3月26日 15時) (レス) id: b1a69e75f8 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - やぁ〜、猗窩座とのお話しを探して三千里(はっ?)なかなか書いてらっしゃる方居なくて、見付けたら嬉しくて善逸みたいに汚ない高音でイィヤァァァア〜状態w自分無限列車何も知らずに観に行って猗窩座の第一声で石田彰さんて解って涎垂らしそうな程で、幸せ (2021年3月26日 14時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
主人公(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます。やっとこさ1を書き終えました。続編も近日公開致しますので是非ともこれからも応援お願い致します! (2021年3月18日 18時) (レス) id: 1c0023d245 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 初めまして!この作品大好きで、ずーっと更新をお待ちしてたので嬉しいです!!!はくじさんと早く会えますように( ; ; )最後どうなるのか気になります!! (2021年2月21日 7時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
- 小説とても面白くて大好きです!更新頑張って下さい! (2021年1月9日 5時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:主人公 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2020年11月9日 21時

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