手記弐拾弐頁目 ページ24
狛治side
『狛治さん、お代ごめんなさい、払いますよ。』
店から離れて、花火を見る場所を探している道中にAさんはそう慌てて言った。
手提げ籠の中から財布を取り出そうとするAさんの手を制す。
狛「お金は気にしないで下さい。」
そう言うも、Aさんは納得いかないようで眉間に皺を寄せる。
途端に何かを閃いたようで、林檎飴を此方に差し出してきた。
『食べかけなんですが、狛治さんも一口どうぞ!』
目の前に、齧った後のある林檎飴。
先程までAさんが、食べていた林檎飴。
もし、食べてしまえば間接的に俺は……。
そう考えてしまって、顔に熱が集中するのが分かった。
狛「いっ、いや、俺は大丈夫です!」
慌てて後退るも、距離を縮められてずいっと林檎飴を出される。
『大丈夫ですよ、美味しいですから!さぁ!』
断りきれなくて、齧ってある部分を致し方なく食べる。
甘い飴と林檎の微かな酸味が上手く口の中で溶け合い、甘酸っぱい。
『どうですか?』
俺の感想を目を輝かせて待ち侘びているAさんに、聞こえていたか分からないが小さく感想を言った。
狛「……俺が貴女に抱く想いのようにとても、甘かったです。」
『え?聞こえませんでした……!』
狛「何でも無いですよ。」
俺の言葉は周りの騒がしさに溶け込んでいった。
285人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
主人公(プロフ) - まゆまゆさん» 本作品を見つけて頂きありがとうございます!私も映画見る前はそうでした笑是非ともこれからもご愛読頂けると嬉しいです(^^) (2021年3月26日 15時) (レス) id: b1a69e75f8 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - やぁ〜、猗窩座とのお話しを探して三千里(はっ?)なかなか書いてらっしゃる方居なくて、見付けたら嬉しくて善逸みたいに汚ない高音でイィヤァァァア〜状態w自分無限列車何も知らずに観に行って猗窩座の第一声で石田彰さんて解って涎垂らしそうな程で、幸せ (2021年3月26日 14時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
主人公(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます。やっとこさ1を書き終えました。続編も近日公開致しますので是非ともこれからも応援お願い致します! (2021年3月18日 18時) (レス) id: 1c0023d245 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 初めまして!この作品大好きで、ずーっと更新をお待ちしてたので嬉しいです!!!はくじさんと早く会えますように( ; ; )最後どうなるのか気になります!! (2021年2月21日 7時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白くて大好きです!更新頑張って下さい! (2021年1月9日 5時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ