6 二卵生双子 3 ページ6
翌日。
『おはよ〜』
「おはよ」
いつもよりちょっと早く来たんだけど、
スングァナはもう開店準備を済ませていた。
『さすが…!』
感心しつつ 私はスタッフルームへ。
カーテンを閉めて仕事着に着替える。
私の仕事着というのは、無地の白シャツに黒のスキニーとエプロン。髪はジョンハナみたいに後ろでしばる。
ロッカーを開けて着替えようとしたとき
「今日早いじゃん どしたの」
カーテン越しに話しかけてきたスングァナ。
『んーなんとなく』
「ジスくんに会えるから?」
直球すぎるその言葉に一瞬固まる私。
『…いや違うよ』
シャツのボタンを閉める手に じわっと手汗が流れるのを感じた。
ちょっと図星。
「ライバルまた増える…」
スングァナの小さい声が聞こえた。
『ライバル?』
「あ!いやこっちの話!」
さっきの小さい声とは対照的に今度はいきなり声が大きくなった。
それと同時に何か色んなものが落ちる音もした。
『ちょっと、大丈夫?』
私はカーテンから顔だけ出してその様子を見る。
「大丈夫!ごめん!」
スングァナは一生懸命 落ちたものを拾っては元の場所に戻していた。
スングァナ…変なの…。
着替えを済ませてカウンターへと向かった。
お店を開店して、
ジョンハナの来店を今か今かと待つ。
「Aさんソワソワしてる」
もうカウンター席に座っているハンソルくんに言われた。
『やだ恥ずかし…』
「楽しみだね 双子の弟さん」
ハンソルくんは本日ももちろんキャラメルマキアート。
一口飲んで また本を読む。
ワクワクとソワソワの中、
店のドアが開いた。
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作者名:ぶー | 作成日時:2015年10月27日 20時