# ページ43
*
目黒「 Aが佐久間くんとやってるの目に入って、その光景が忘れられなくて。嫉妬もあるのに他の感情もあってなんか、ぐちゃぐちゃなの。 」
唇がゆっくりと離れると彼の整った顔が私の視界いっぱいに広がる
シャンプーの匂いが甘ったるい
「 ………まさか目黒、寝取り願望であるの？ 」
目黒「 そうかもね。 」
笑えるような雰囲気にしたいのに、彼の纏っている雰囲気ひとつひとつがそうはさせない
髪の毛をゆっくりと触るその仕草が何とも厭らしい
その指先が、手つきが、私の五感を研ぎ澄ます
目黒「 佐久間くんに責められているA見てたら、あぁこんな感じで鳴くんだぁっとか、そこが気持ち良いんだぁって俺……の知らないところが沢山あってさ。
何かムカつくんだよ。 」
服をゆっくりと脱がされて、目黒は鎖骨に顔を埋めるとちゅっとリップ音が鳴る
ぴりっと痛くて、赤い印がぷっくり浮き出た
目黒「 俺の下でも鳴いてよ、A。 」
「 ちょっ、目黒、痛い、 」
目黒「 知らない、いつもならここで引くけど。今日の俺、いつもの俺じゃないから。 」
怖い
そんな感情さえ覚えるようになって、自然と彼の腕を振り払って後退り
目黒「 今日はいつもよりもっと可愛いね、A。 」
だけどそんなのお構い無しに、彼が私をフローリングにそっと押し倒す
目黒「 もっと俺の下で乱れて。 」
───
初めてだった
いつも受けだった目黒にまさか迫られることとなった、今日の夜
目黒「 ……お疲れ、体大丈夫？ 」
「 調子乗んな。 」
終わったあと、いつもよりスッキリした笑顔を向ける彼の肩にグーパンして、
そしてゴムをゴミ箱に捨てる目黒の後ろ姿が視界に入る
目黒「 受けのA可愛いね、今まで責められてた時間がもったいないくらいに。 」
「 だから、たかだか1回程度で調子乗らないでくれる？ 」
そんなふうに強がってみたものの、どうも今夜の出来事を私は忘れられそうにないと思う
甘美で濃厚な
ずっと可愛がっていた目黒と過ごす、珍しい夜となった
*
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作者名：FON
| 作成日時：2020年8月8日 11時
