5『 平等とは 』 ページ36
*
あれから幾分かの月日が流れた
その間もちょくちょく悪魔は現れて危険な目に晒されたこともあったけれど、何とかこうやって生き延びいている
それもこれも全て、いやいや言いながらも戦ってくれた佐久間のお陰なのかもしれない
「 コロシアム……? 」
阿部「 えぇ。国王様もいらっしゃるような、年に一度の大きな行事なんです。」
図書館に忍び込もうとすると、毎回阿部さんに出会ってしまう
これは本当に、運が悪いと一言で片付けられるようなものなのか
まるで監視しているかのように、いつもタイミングが良い
阿部さんは私を見かけると、 ”丁度良いところに” 、とまたあの貼り付けたような笑み浮かべ、そして私にそっと近付いてくると地下へと案内したんだ
地下へと続く螺旋階段を降りながら、阿部さんが口を開く
何かと思えば『コロシアム』の話題らしい
ジェシーさんから少しだけ話は聞いたけど、詳しい内容はまだ教えて貰っていなかった
それにしても北斗様のお父様までいらっしゃるなんて、よほど大きい行事なのだろう
まだお会いしたことはないけれど、第1王子のお父様だ
今はひっそりと隠居しているというが、どんなお方かとても気になる
阿部「 使い魔同士を争わせてその強さを見極めるんです。それによって、どこの軍隊に入るかなども決める大事な行事なんですよ。 」
なるほど、樹さんの軍隊や大我様の軍隊に仕分けするってことか
「 その間、人間は何をするんですか? 」
阿部「 人間ももちろん参加しますよ、みんな平等でないといけませんからね。 」
ようやく阿部さんの研究所に辿り着くと、またも私にコーヒーを差し出して、そしてニコリと笑う
眼鏡の奥は笑っていない
瞳は、底なし沼の暗黒のように真っ黒
阿部「 人間だけ高みの見物なんていけませんよ。彼らはみんな同じ人間なんですから。 」
だけど、その言葉に違和感を覚えた
それでも彼は何事も無かったように、コーヒーに口をつける
静寂を守る地下の研究室
機械音が聞こえないくらい何かが気になって
私はそのモヤモヤで全身が痒くなってきて
だって彼が、 ”ある部分” を強調して言ったから
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FON(プロフ) - 如月ヨシノ。さん» 優しいお言葉をありがとうございます;_;ただいま移行しましたので後半戦も宜しくお願いします! (2020年9月14日 12時) (レス) id: 916dce426a (このIDを非表示/違反報告)
如月ヨシノ。(プロフ) - 新作いそがなくても大丈夫ですよ!FONさんのペースで頑張ってください! (2020年8月30日 7時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - aoiさん» コメントありがとうございます(^^)わぁ嬉しいです!!後半戦も楽しんで頂けるように頑張りますので移行後も宜しくお願いします! (2020年8月27日 23時) (レス) id: 916dce426a (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - 蕾華さん» コメントありがとうございます(^^)えーんそんなこと言っていただけて光栄です;_;これからもお互いに執筆活動頑張りましょうね!移行後も宜しくお願いします! (2020年8月27日 23時) (レス) id: 916dce426a (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - 如月ヨシノ。さん» コメントありがとうございます(^^)そんなこと言っていただけて嬉しい限りです!これからもお互いに執筆活動頑張りましょうね;_;! (2020年8月27日 23時) (レス) id: 916dce426a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:FON | 作成日時:2020年4月21日 12時