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北斗「A、今夜部屋に来てくれないか?」







樹さんが居なくなり、私も自室へ戻ろうとしたら声をかけられた







「はい、喜んで」






それに笑顔でお応えする








だけどこれは
貴方に抱かれる最後の夜になるのでしょうか































「北斗様、」







迎えたかったようで迎えたくなかった
最後の夜



大きな手のひらが私の身体をゆっくりと包み込んだ
その愛撫ひとつひとつが、大切に感じられて









北斗「A、好きだよ。愛している」









その言葉全て永遠に私の中に閉じ込めておきたくて












「私もです、北斗様。…愛しています」







だけどそれは叶わぬ夢なんだと自覚した時
大粒の涙が溢れ出す





誰よりも愛しい人

貴方に出会えて心の底から良かったと思います







そんな想いを抱き、私は彼と身体を重ねた












終わったあと、北斗様はぐっすりと寝付かれたらしい

私はぼんやりと月明かりを眺める











「ラウールさん、いらっしゃいませんか…?」





テキトーに着物を羽織って窓を開けた
テラスのような場所があり、外の風を浴びることができる空間






ラウール「やっほ!まさか呼ばれるなんて思わなくてびっくりしちゃった。……で、今回は何の用?」





風になびく綺麗な金髪






「お願いがあります、」







































「私が元の世界に戻ったら、皆の記憶から私との思い出を消してくれませんか……?」








その声はとても震えていた
外の寒さが原因ではない

だけど、決心を固めた私は動じなかった









ラウール「これまた難題なリクエストだね〜出来ないこともないけれど、どうして?こんなに仲良くなったのに。」






私の要望にラウールさんはとても驚いた様子








「だから、です。私の記憶をなくして皆には新しい人生を歩んでもらいたい。それが私の願いだから…」







北斗様はきっと私が戻らないと分かったら、また狂ってしまう

私をあそこまで愛してくださるお方だ
そんな方を不幸せにはしたくなかった
私の事なんて忘れて、新しい方と……








ラウール「ふふ、そっか。いいよ。叶えてあげる!君の意思も固まったみたいだしね〜。」





そう言ってラウールさんが指さす方向は、中央区









ラウール「ここから見えるんだよ僕には。中央区の森から一筋の光がね。」









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つむぎ(プロフ) - 全部一気に読みましたが、(名前を伏せて)本に出来そう!って思うくらい面白かったです! (2021年1月11日 22時) (レス) id: 24a1a39c35 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 一気に読ませていただきました!面白かったです。 (2020年6月14日 0時) (レス) id: 87b41f44b5 (このIDを非表示/違反報告)
菜月(プロフ) - とても面白かったです!最後までずっと、楽しませて頂きましたいただきました!ありがとうございました!! (2020年4月8日 8時) (レス) id: 57a5053d23 (このIDを非表示/違反報告)
ユーナ(プロフ) - 完結おめでとうございます。ずっと楽しんで読んでいたので少し悲しいです。ストーリーの最後の展開が最高でした! (2020年4月7日 18時) (レス) id: 220040772f (このIDを非表示/違反報告)
ナミヲの家のあろさうるす - 完結おめでとうございます!ひたすら裏のお話は少し苦手だったので、飛ばし飛ばし読んでいたのですが、やっぱりお話がとても面白いです!ストーリーが毎回神がかってます!これからも頑張ってくださいね〜 (2020年4月6日 17時) (レス) id: 2e27670cb5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:FON | 作成日時:2020年3月18日 14時

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