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頭がクラクラする
唐突な吐き気
症状を訴えようと縋った目の前にいる佐久間さんは、狂気的な笑みを浮かべていた
佐久間「だってそれ、ぶっ潰しちゃうことになるんだもん。」
「は、」
瞬間、咳込み私の口からは血が飛び散る
なにこれ、
何が起こっているの
息が吸えなくなり、気絶をするようにして床に倒れ込んだ
そこからのことはよく覚えていない
佐久間「阿部ちゃん、これ死んじゃってない?平気?」
阿部「大丈夫だよ、佐久間。調合は間違っていないから。」
2人の会話がぼんやりと聞こえてくる
阿部「後は思う存分佐久間の好きなようにやりな。」
佐久間「ありがとう阿部ちゃん!」
そのまま私は意識を手放した
 ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄
 ̄
目が覚めると……そこは、何も無い無機質な真っ白い部屋
佐久間「あ!目、覚めた?」
隣を見ると、真横に寝転んでいる佐久間さん
「何で、こんなこと、」
佐久間「好きだったの。ずっと。」
私の質問に間髪入れずに答えた
佐久間「大我様が領主で居られた時から、君が好きだった。」
脆い割れ物にでも触れるかのように、優しく髪を撫でる佐久間さん
背筋がぞわっとする
現実から目を背けるように辺りを見回すと、壁に寄りかかっている阿部さんが見えた
最後に聞こえた会話からして、きっと彼が私に血を吐き出すような薬を入れた張本人だ
反抗的なその目に気が付いたのか、私が何も言わないのに阿部さんは私を見て語り出す
阿部「俺はあの男が気に入らないだけだ。松村は我が国から領主を奪い、ましてや家来に………。」
松村………?
北斗様が関わっているの?
はっとした
全ての不可解な点と点が繋がった気がして、その瞬間全身が震え出した
北斗様の名前が出てようやく思い出したんだ
1番危険だったのはここだったということを
樹『 だって今、南の国を治めているのは………ちきしょー、やられた……… 』
樹さんが殺される直前におっしゃったあの言葉が妙に引っかかっていた
あの時、南の国の領主だったのは阿部さん
つまりあの時から、"松村北斗への復讐" の計画は変わっていなかったんだ
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つむぎ(プロフ) - 全部一気に読みましたが、(名前を伏せて)本に出来そう!って思うくらい面白かったです! (2021年1月11日 22時) (レス) id: 24a1a39c35 (このIDを非表示/違反報告)
碧(プロフ) - 一気に読ませていただきました!面白かったです。 (2020年6月14日 0時) (レス) id: 87b41f44b5 (このIDを非表示/違反報告)
菜月(プロフ) - とても面白かったです!最後までずっと、楽しませて頂きましたいただきました!ありがとうございました!! (2020年4月8日 8時) (レス) id: 57a5053d23 (このIDを非表示/違反報告)
ユーナ(プロフ) - 完結おめでとうございます。ずっと楽しんで読んでいたので少し悲しいです。ストーリーの最後の展開が最高でした! (2020年4月7日 18時) (レス) id: 220040772f (このIDを非表示/違反報告)
ナミヲの家のあろさうるす - 完結おめでとうございます!ひたすら裏のお話は少し苦手だったので、飛ばし飛ばし読んでいたのですが、やっぱりお話がとても面白いです!ストーリーが毎回神がかってます!これからも頑張ってくださいね〜 (2020年4月6日 17時) (レス) id: 2e27670cb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:FON | 作成日時:2020年3月18日 14時