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traverler278 ページ39

灰原「傷、痛む?」





『ん?確かに痛みはあるけど大したことないよ。生きてる証拠♬』





灰原「ごめんなさい。私のせいで……」





『哀ちゃんのせいじゃないよ。悪いのは爆弾仕掛けた犯人でしょ?』





灰原「でも、私を助ける為に……。」





『哀ちゃん、ありがとうね。』





灰原「ーーーっつ!?」





私の言葉が予想外だったようで哀ちゃんが勢いよく顔を上げた。



私を見上げるその顔は驚愕したあと、グニャリと悲痛に歪む。



違う……そんな顔させたいわけじゃないのに。





灰原「なんで……なんで”ありがとう”なんて言うのよ……あなた、私を助けようとして大怪我負ったのに、私はあなたを1人置いて先に……。」





『だから、それだよ!!私が”ありがとう!!”って言っのはそれ!!哀ちゃんが後ろ髪引かれる思いを振り切ってお願いした通り大人の人を呼んできてくれたから、私はこの程度の怪我で済んだの。』





灰原「何をどう見たら”この程度の怪我”って言うのよ!!運ばれる時意識不明で重体だったって聞いたわよ!?」





『もし哀ちゃんが大人の人を呼んできてくれなかったら私はきっと死んでた。』





そう言い切ると哀ちゃんの顔が引きつった。



嘘じゃない。



自分の体だもん……何となくわかるって言うか、あの状況で、目の前が霞んだり徐々にブラックアウトして行く感じはどうしても”死”を連想させる。



正直”死んだかも”って思った。



でも、目が覚めて自分がいる場所が病院だとわかった時とか、治療されてる部位を見てそこでやっと”生きてる”って認識したんだ。



つまり、最悪の事態を逃れることが出来て、それを作ってくれたのは哀ちゃんだって直ぐにわかった。



私が直接お願いしたんだから。





『哀ちゃんが自分でなんと言おうと、私は哀ちゃんに”ありがとう”って言うよ。こうして私が生きてまた哀ちゃんと会うことが出来るのは、紛れもなく哀ちゃんのお陰なんだから!!』





生きてることがこれほど嬉しいと思ったことはない。



哀ちゃんにもそれをわかって欲しくて、満面の笑みを哀ちゃんに向けると、哀ちゃんも自然と笑顔になってくれた。





灰原「そんなの結果論じゃない。相変わらずお気楽なんだから。」





「わー。毒舌健在!すっかり元通りだね〜!!」

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癒し系猫 - 作者様!真澄じゃなくて真純ですよ! (2021年3月21日 10時) (レス) id: 5f340e67e1 (このIDを非表示/違反報告)
わらびもち(プロフ) - 273話の自分サイドの上から2行めの全身が前進になってます (2020年6月1日 18時) (レス) id: b64abaedd3 (このIDを非表示/違反報告)
- 362話の次も362話になってますよ (2018年12月10日 17時) (レス) id: bf2ef6660f (このIDを非表示/違反報告)
- んぁぁぁぁ!!更新待ってました!!いろんな人の心配(デレ)で顔ゆるみました。警察学校組と哀ちゃんとキッドが最高過ぎます・・・ (2018年12月9日 21時) (レス) id: bf2ef6660f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - やったぁ♪♪ 最新してる。夢主も目を覚ましたし。キットが何故か見舞いにきているし……アンケートはまさかの結末だった (2018年12月9日 21時) (レス) id: d271bd57c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆずポン酢 | 作成日時:2018年11月11日 17時

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