サマー・ヌード（赤）

・your ページ48

ASide



バンドメンバーとの打ち上げが終わってす ばるの家に着いたら。


『ネコかな？』

ソファに丸まって寝落ちてる黒ネコ..
　


『風邪ひくよ、ベッドで寝て？』


「んー、、」


唸り声までネコみたい。


「何時・・・」

『12時』





「A、」

『ん？』



「あいしてる」



今あいしてるって言った？

いきなりどうした、、




「遠く、行ってまいそうで」


「お前の歌聴けんくなるの嫌やって思って」


「・・・・・」


細い腕が絡んで肩口に抱き止められながら、

す ばるがこんなこと言うなんて。


す ばるが・・・




『なにか、あった？』


泣きそうになるけど、こんなことす ばるが思うなんて信じられなくて、
ちょっと意地の悪い質問しちゃって。


「・・・・・」




『遠くに行っちゃいそうなのは、す ばるだよ』

緩む腕。
いつもの眼力どこいっちゃったの、
ほんと、捨てられたネコみたい


「なんやねんそれ」


『す ばるは凄い人だから』



すばるは凄い人なんだから。
いざ目の当たりにしてしまったあの日
不貞腐れてここには戻らなかった

今は気まぐれで私の隣にいてくれるけど
それがいつまで続くのかなんてわからない
たけど、長くないことだけはなんとなく思ってて。

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