サマー・ヌード（赤）

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考えこんでいるのか、それともなーんにも考えてないのかな。
不思議なオーラをまとうこの男。
横顔が美術室にあった彫刻みたい。強い、強すぎる。
なに考えてるのか知りたい。



『ねえす ばる』

わお、またその剣幕！目力！

『海見に行かない？』

「は？」

『海って知らないの？見たことないの？』

「ないわけあるかアホ」

『今から電車のってー、朝焼けの海見ようよ』


もうすぐ8月だもん。ほんとは8月に行きたいけど、次会うことがあるかわかんないし。


「行くわけないやろ、子供ははよ帰れ」

『わー、ひどーい』

「じゃあな、俺は帰る。」

『つまらない！す ばるつまらない！』


ちぇっ。
帰っちゃった。
まだトリのバンドやってないしギターしまってないし、
いっか。


ビン持ってフロアに移動する。
音とお酒に酔うのは気持ちいい。

音は22時にとまっても、他の演者さんやマネージャーと話してるとすぐに終電の時間になっちゃって、
帰れなくて、迎えにきてもらう。



んだけど。

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