大丈夫、キミが好きだよ。#2【orange】 (ページ48)

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少しの沈黙に
廊下から聞こえるガヤガヤが耳に残る

いつも嗅いでいる隆平の匂いではなく
大倉くんの匂いが鼻を突く

「裕兄といる自分が好きじゃなかったの」

大倉くんは喋らず頷かず

「隆平といる自分は好きなの」

大「…俺はさ、マルちゃんもAちゃんも大好きやから2人のことはよく見とる」

ゆっくりと私の隣に腰かけた

色落ちし始めている黒髪が太陽でピカピカ光っている

大「正直2人はさっさと付き合えってくらいお似合いの2人」

「…そう…なんだ」

なんだか照れ臭くて
真っ白なカーテンに隠れた

大「やから俺的にこーゆー関係はあかんと思う」

「こーゆー関係？」

大「なんとなく付き合う、みたいなよくわからん関係」

自分でもどうすればいいかわからない

幸せを求めればどこかでいつかきっと壊れるのが怖い

隆平を失うのが怖い

でも

だけど

「私はね、ずるいんだよ」

大「なにが？」

こっちを向いた大倉くんに答えた

「隆平を独り占めしたいんだよ」