六十五 ページ15
廊下が騒がしくなる。
「おい待て一期!!こいつは病み上がりだぞ!
きみも止まれ!その傷で戦おうとするんじゃない!」
今剣「っ...あのひとはうんがないのでしょうか....!
ぼくはたすけにいきます。薬研はじぶんがどうしたいかよくかんがえてください。」
俺は、俺は一体どうしたらいいんだ.....
確かに優しかった。でも、人間なんてすぐに心変わりするもんだろ?
どうせまた、また.......
でも....あの霊力、知っているかもしれない。
強い旦那によく似た霊力......気のせいか?それとも......
違う、今は信用するかしないかだろ。もう旦那はいないんだ....
.....決めた。
もし、もし大将が本当に救ってくれるなら....
.
.
起きて直ぐに薬研殿の怪我を治しに行こうとした。
それが間違いだったのかもしれない。
居たんだ。そこに、弟を探しに来た兄が。
咄嗟に身をよじるが先程の傷が痛む。
情けない声を出して何とか逃げる。刀が見えた。おれだ。
柄から取り出した本体はやはりボロボロになっていた。
折れるのではないか?だが、そんなこと考えている暇は無いのだ。
目の前に立ちこちらを睨みつける太刀。一期一振をどうにかしなくてはならない。
部屋を出る前に気配をさぐっておくべきだったと後悔するが今更遅い。
そう言えば、とあるものを政府から貰ったことを思い出す。
御守りを貰っていたのだった。最悪の場合これが発動する。
でももし、これよりも最悪な場合があったら?その時は、潔く
自尊心など捨てたと思っていたのだがな、どうやらその選択をおれは否定したいらしい。
「こい、相手になってやる。」
言霊を使えばいいと思った者もいるだろう。
自身もそう思っていた。だが、今の一期一振殿にかけたら、薬研殿の傷を治すぶんの霊力がなくなってしまう。
おれは一刻も早く治したいんだ。だから、大人しく引いてはくれぬか.....
なんて、無理だろうな。
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翔(プロフ) - 安仙任さん» ありがとうございます!亀更新ですが頑張ります! (2021年2月12日 20時) (レス) id: e634417883 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - とても面白いです!続きを楽しみにしてます!これからも頑張ってください(^^) (2021年2月12日 19時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アパー | 作成日時:2021年1月28日 18時