八 ページ10
きり丸「確認したところ、二枚目の書類の本が三冊と五枚目の一冊が返却されてないっすね……ちょっと返してもらってきます!A先輩はその間にサイン頼みますね」
『ええ、わかりまし___』
バンッ
突然図書室の戸が勢いよく開いて、入ってきたのは不破雷蔵だった。
「A先輩!ちょっと来てもらえますか?!」
『何かあったんですか?』
「実は、七松先輩のところに本の回収に行ったんですけどなかなか返してもらえなくて」
『小平太ですか……なら、一緒に行きましょう』
きり丸「先輩!サインは?!」
『戻ってきたらやりますね』
私は図書室の戸を静かに閉めると、“雷蔵”の手を掴んで歩き出した。
「せ、先輩?!!」
『ほら、早く行きますよ』
ちょっと待ってください、と止まらせようとする彼を無視して私はそのまま進んでいく。
そして私達は廊下で、ある生徒と出会った。
『庄左ヱ門いいところで会いましたね。今から委員会に行くんですか?』
庄「はい!A先輩はどちらに?」
『私も貴方と同じところですよ。ね?“三郎”』
「…………え」
『上手でしたよ?“雷蔵の変装”』
そう、私を呼び出したのは雷蔵ではなく鉢屋三郎だった。
三郎は普段から雷蔵に変装をしているため、雷蔵の変装は群を抜いて優れている。
だから今の彼は何故バレたのだろう、と鳩が豆鉄砲を食らった様な顔をしていた。
『今回は声まで似ていて、とても良かったですよ』
鉢屋「あはは…流石はA先輩」
先輩には敵いません、と言いながら三郎は楽しそうに笑っている。
その時、庄左ヱ門が言った。
庄「でも、何故鉢屋先輩はA先輩を連れてきたんですか?確かA先輩は図書委員と一緒に行動していると聞いたのですが」
鉢屋「確かに最近の図書委員会は、護衛と称してA先輩を他の委員会から遠ざけていたが、それは図書委員会の考えた作戦だったんだ」
『今までは何の害も無かったので良かったのですが、さっきサインして欲しいと頼まれた書類の中に、ちゃっかり委員会の申請書が混ざっていました。それに気づいて三郎は私を助けに来てくれたのでしょう?』
鉢屋「学級委員長委員会だけは先輩を勧誘できない。なら、先輩がとられない様に護るまで。庄左ヱ門、A先輩を委員会の部屋まで連れてって差し上げろ」
庄「はい!わかりました」
『では三郎、また後で』
私は三郎に手を振って別れると、庄左ヱ門の横を歩き出した。
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ゆかり(プロフ) - あー、喜八郎と一緒に寝たい人生だった (12月24日 18時) (レス) @page16 id: c2f7bbb147 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - 夢主さん最高 (2023年3月13日 19時) (レス) @page50 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ餅 - 面白かったです✨(*`▽´*) (2023年2月22日 0時) (レス) @page50 id: 12d02573a8 (このIDを非表示/違反報告)
勘ちゃんに食べられたいお菓子🍡 - 面白かった〜 (2023年2月15日 0時) (レス) @page50 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - お話良かったです、素敵な作品ありがとうございます。 (2022年7月29日 13時) (レス) @page50 id: 5834c2d9fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ホシ | 作成日時:2021年12月31日 3時