十二 ページ14
私達はそれからお茶を飲みつつ、菓子を食べつつ、話をした。まあ、言うなればお茶会だ。
後輩二人は各々のクラスの同級生のことを話していた。
どうやら今年の一年生はクラスごとに個性がはっきり分かれているようで、中でも一年は組の乱太郎、きり丸、しんべヱが大変な問題児らしい。
同じは組の庄左ヱ門は兎も角、い組の彦四郎もそう言うのだから相当だろう。
他にも実家のことや授業で習った忍術のこと
幼い子はどれだけ話しても話題が尽きない。
一方で私や三郎、勘右衛門は黙って後輩の話に相槌を打っている。
まあ、三郎はずっとどこか不機嫌な顔をしているし、勘右衛門はまだ私と目が合うと頬辺りが赤くなったりしていたので真面目に聞いていたかはわからないけれど。
私は他の委員会から隠れていられるし、甘味は食べられるし、後輩と話もできて万々歳だった。
しかし、そんな幸せも束の間
___「竹谷先輩!!A先輩を見つけました!!」
部屋の戸が開かれたと思ったら大声で叫んだのは三年い組の伊賀崎孫兵
八左ヱ門を呼んだということは、これは……!!
竹谷「生物委員会ーー!!A先輩を捕獲だーーー!!」
「「「「はい!!!」」」」
飛びかかってきた一年生四人は四方から一斉に私めがけて虫取り網を振り下ろす。
(いや、何故虫取り網?)
スッと飛び退くと一年生達は捕まえる対象を失って互いの網を頭に被ってしまった。
『あらら……ごめんなさい』
今すぐ網を取ってあげたいのだけど、後ろから孫兵のペットであるジュンコが迫ってきているのでそうもいかない。
それにこのまま此処で戦っていたら、虫やら何やらを放たれて学級委員長委員会にも迷惑がかかってしまう。
本当に申し訳ないが、もう逃げるしかない。
『彦四郎、庄左ヱ門、お話できて楽しかったですよ。またお茶会誘ってくださいね。ではまた今度』
彦/庄「はい!お気をつけて」
彦四郎と庄左ヱ門は本当にできた一年生である。
さて、私もそろそろ本気で逃げなければ。
『生物委員会、私はこっちですよ』
八「っ!!A先輩は外に出ていった!!探すぞ!」
そして私は現在、木の上から生物委員会の動きを見ている。
なんとか撒くことはできたが、見つかってしまえば今度こそお終いだ。
孫兵「A先輩……何処にも見当たりませんね」
竹谷「もしかすると建物や木の上に隠れているかもしれない。一応見て回ってくれ」
(ああ、まずい……)
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ゆかり(プロフ) - あー、喜八郎と一緒に寝たい人生だった (12月24日 18時) (レス) @page16 id: c2f7bbb147 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - 夢主さん最高 (2023年3月13日 19時) (レス) @page50 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ餅 - 面白かったです✨(*`▽´*) (2023年2月22日 0時) (レス) @page50 id: 12d02573a8 (このIDを非表示/違反報告)
勘ちゃんに食べられたいお菓子🍡 - 面白かった〜 (2023年2月15日 0時) (レス) @page50 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - お話良かったです、素敵な作品ありがとうございます。 (2022年7月29日 13時) (レス) @page50 id: 5834c2d9fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ホシ | 作成日時:2021年12月31日 3時