33話 ページ37
《モトキside》
僕がこの手を掴んだら
二度と離しはしないから
透き通ったハイトーンボイスが会場に響き渡る。
事前にこれまでの公演のセトリを見ていたが、アンコールの最後の曲にはどの公演でも彼女のアルバムの1曲を使っていた。
彼女が以前、『セトリの最後の曲が決まらない』と嘆いていたのを思い出す。
まさか、ぎりぎりでこの曲を天月さんから借りたのか…?
ごらんあの月のように君を照らしたい
他の誰かじゃなくて君だけでいい
その歌詞と同時にAちゃんがこちらに目線を向ける。
俺と目が合った彼女は、弾けるような笑顔で笑った。
…それは、だめだって。
耐えきれなくなって口を手で覆う。
これからも君の手を離さない
共に言おう「Hello, My story」
俺がほぼずっと立ち尽くしている間に、曲が終わる。
「モトキさん、届きました?るりちゃんから。」
天月さんが悪戯っぽく俺の顔を覗き込み、問いかける。
その瞳には少しだけ光るものがあった。
「…はい。もちろん、届きました。」
俺は、これだけのことをやってのけるAちゃんに心の底から会えてよかったと感じた。
そして、いまこの瞬間、ステージで笑っている彼女は間違いなく物語の主人公だった。
___________________
來です。
物語もいよいよ終盤に差し掛かりました。
この物語を最高の形で終わらせるために、試行錯誤しながらイメージを文字にしています。
次回作も考えてはいるので、よければこんなの見てみたい!なのがございましたら教えて頂けると幸いです。
不器用で、自分のことが嫌いだったAちゃんとそんな彼女を想う人達の物語をぜひ、見届けてください。
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もきたん - 星の数が足りない〜ポチポチポチポチ (2020年9月13日 10時) (レス) id: 0ceb3868db (このIDを非表示/違反報告)
ゆきだるま(プロフ) - LINEのところの吹き出しってどうやりますか?私も登校しているのですが、やり方が分からなくて…教えてください!この作品大好きです! (2019年10月25日 20時) (レス) id: bda2441edd (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - 一気読みてしまいました…笑素晴らしいお話でした!!!天月くん視点の話も見てみたいです! (2019年9月25日 20時) (レス) id: 4a658d8cff (このIDを非表示/違反報告)
ここぐみ - 付き合ってからの二人が気になる! (2019年9月6日 19時) (レス) id: 08670c7dca (このIDを非表示/違反報告)
せいら/うおたみん(プロフ) - 付き合ってからの2人、気になります!お時間があれば、ぜひ作ってください(´∀`)次回作も楽しみにしてます(*^^*) (2019年9月3日 21時) (レス) id: 2c14e8117c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:來(らい) | 作成日時:2019年8月13日 2時