20話 ページ23
「…色んなことが中途半端に出来ちゃってたせいで、何か飛び抜けたことがある訳でもない。
幸せになるのはいつだって私の周りの人。
自分の性格が全ての原因だなんてわかっているのに、妥協して出来ないことを作るのはプライドが許さない。
ほんとめんどくさいよね。私。」
私が話している間、モトキくんは黙って頷きながら聞いてくれた。
「…もうね、自分でもどうしたいのかわかんないんだ。」
泣きだしそうなのを必死に堪えたせいで、最後の一言は声が震えている。
ここまで話しておいて、モトキくんの顔が見れない。
やっぱり、めんどくさいって呆れられちゃったかな?
零れ落ちそうな涙を隠そうと俯く。
すると、腕を力強く引かれ、温かいものが私の身体を包み込んだ。
「Aちゃんはえらいよ。今まで、よく頑張ったね。」
頭上からモトキくんの優しい声が降ってくる。
それは、私が生きてきて1番誰かに言って欲しかった言葉だった。
言われて初めて気づいた。
私はずっと、私を認めてくれる、そんな言葉が欲しかったんだ。
「今は、泣こう?
辛いことや悲しいことをAちゃんは他の人の何倍も耐えてきたんだ。今日くらい、思いっきり泣いたって許してくれるよ。」
「モト……キ…く……ん………うぅ……」
私はその日、初めて人前で泣いた。
モトキくんの肩に顔を埋めながら、子供のように。
私が泣いている間、モトキくんはずっと私の背中を擦りながら力強く抱き締めてくれた。
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もきたん - 星の数が足りない〜ポチポチポチポチ (2020年9月13日 10時) (レス) id: 0ceb3868db (このIDを非表示/違反報告)
ゆきだるま(プロフ) - LINEのところの吹き出しってどうやりますか?私も登校しているのですが、やり方が分からなくて…教えてください!この作品大好きです! (2019年10月25日 20時) (レス) id: bda2441edd (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - 一気読みてしまいました…笑素晴らしいお話でした!!!天月くん視点の話も見てみたいです! (2019年9月25日 20時) (レス) id: 4a658d8cff (このIDを非表示/違反報告)
ここぐみ - 付き合ってからの二人が気になる! (2019年9月6日 19時) (レス) id: 08670c7dca (このIDを非表示/違反報告)
せいら/うおたみん(プロフ) - 付き合ってからの2人、気になります!お時間があれば、ぜひ作ってください(´∀`)次回作も楽しみにしてます(*^^*) (2019年9月3日 21時) (レス) id: 2c14e8117c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:來(らい) | 作成日時:2019年8月13日 2時