16話 ページ19
出かける準備をし、家を出たのが15分前。
待ち合わせ場所の駅で、見慣れた人影を見つける。
「モトキくん、お待たせ！」
「あ、ほんとに来てくれた。
特に何か用事があるってわけじゃないんだけどさ、その辺のカフェ寄っていこうよ。」
そう言ってモトキくんは歩き出す。
そんな彼の隣を歩きながら、今日の撮影の話や私のアルバム制作の話など、なんでもない話をする。
LINEでもそうだけど、彼と話すのはとても心地がいい。
モトキくん自身の人柄がいいおかげで、私もついつい色々な話をしてしまう。
「いらっしゃいませ。2名様でよろしいでしょうか？」
オシャレなカフェに着き、かわいい制服を着たウェイターさんにテラス席へと案内される。
「そういえば、Aちゃんの全国ツアーまでもあと１ヶ月だよね。」
メニューを見ながら、モトキくんが話題を切り替えた。
「そうなんだよ！
それなのにまだセトリの最後の曲が決まらなくてさ。さすがにもうこの時期だから仮決定の楽曲はあるんだけど、いまいち納得行かなくて…」
やっぱりモトキくんの前では口が軽くなってしまう自分。
普段あまり誰かに相談することなんてないのだが、あっさりのセトリの話をしてしまった。
それでもモトキくんは真摯に私の話を聞いてくれて、次第になんとなく解決の糸口が見えてきた気がする。
そんな風にお互いに近況報告やちょっとした相談事をしながら気づけば1時間ほどが経過していた。
モトキくんが少し席を外している間にスマホでTwitterを開く。
「…え？」
見なきゃよかった。
ただの暇つぶしのつもりだったのに。
「ただいま〜
…って、どうしたの？」
戻ってきたモトキくんが私の様子を見て問いかける。
「ううん、なんでもない。大丈夫…」
「はい、すぐ大丈夫って言わない〜。明らかに大丈夫じゃないでしょ、何があった？」
言いかけた私の言葉を遮り、心配そうな表情を浮かべる彼。
…なんでそんなに、私のことわかってくれるの？
張り詰めていた思いを、モトキくんの優しさが切り崩す。
少しだけ、目尻が熱くなった。
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もきたん - 星の数が足りない〜ﾎﾟﾁﾎﾟﾁﾎﾟﾁﾎﾟﾁ (2020年9月13日 10時) (
レス) id: 0ceb3868db (このIDを非表示/違反報告)
ゆきだるま(プロフ) - LINEのところの吹き出しってどうやりますか？私も登校しているのですが、やり方が分からなくて…教えてください！この作品大好きです！ (2019年10月25日 20時) (レス) id: bda2441edd (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - 一気読みてしまいました…笑素晴らしいお話でした!!!天月くん視点の話も見てみたいです！ (2019年9月25日 20時) (レス) id: 4a658d8cff (このIDを非表示/違反報告)
ここぐみ - 付き合ってからの二人が気になる！ (2019年9月6日 19時) (レス) id: 08670c7dca (このIDを非表示/違反報告)
せいら/うおたみん(プロフ) - 付き合ってからの2人、気になります！お時間があれば、ぜひ作ってください(´∀`)次回作も楽しみにしてます(*^^*) (2019年9月3日 21時) (レス) id: 2c14e8117c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：來（らい） | 作成日時：2019年8月13日 2時
