先輩は片足手纏い【男主】

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『くそが、夜蛾センやっぱ帰ったら殴る！』



夜蛾セン直の任務は2級や3級なんて雑魚では勿論無く…

『1級の俺が手に負えると思ってんのか！！』

準特級、もしくは特級であることを確信した俺はきもっちわるい目玉にナイフ型呪具を刺してひたすらに逃げていた。
京都移されるし特級当てられるし嫌がらせが過ぎるだろ！
怪我無しじゃ帰れないのは確定、帳は降ろしてもらったから良いとして補助監督逃げやがったし。


『うっぜぇぇぇ！2人まとめて絞める！』

溜まった呪力を放出し、呪霊を固め上から刺し祓う(殺す)。

クラッカーのようなパンと言う音と共に呪霊の中身が飛び散る。
これは非常にまずいね！


『この血、毒じゃねーか…！』


勿論トドメを刺した俺が血を浴びないはずもなく、神経毒なのか皮膚がピリピリとして徐々に動けなくなる。
そして嗅覚からは眠気を誘う不思議な香り、くそ最悪。
怪我して帰ってくんなよなんてブーメランをかましたとは言え、怪我して帰れなくなるのはもっとゴメンだ…。

最後の力を腕に込めて、携帯を手に七海に電話を掛けた。

七海《もしもし。》
『あー、もしもし七海悪い…けど俺


今日、帰れないか…も…。』
七海《…？月雨さん…月雨さん？》


怪我したところからも毒回ってるし…眠気と神経毒で動けねぇし、最悪だ。
七海の声が途切れて電話越しにうるさくなった、灰原が入ってきたんだろうな。

…ここで死ぬのは、嫌だね。

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