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そこからがめっちゃ大変だった。
体温計が視界に入れば目を潤ませ、冷えピタをチラつかせば雫が頬を伝い、薬なんてワードが少しでも耳に入ればもう大泣き。
川上さんや福良さんが「手伝おうか?」と声をかけてくれたのに「俺1人で大丈夫ですよ」なんて断った2時間前の俺、何言ってんだよ。
いや、だって幼児退行してるなんて思ってなかったし。
何人もで看病した方が山本さんは気にしちゃうかなと思ったから断ったんだけど……手伝ってもらえば良かった。
俺が必要なものを取りに行こうと立ち上がると
山本「こーちゃん……!どこ行くの……?行かないでぇ」
そう言って腕を伸ばしてくるから、その手を握るとがっちりとホールドされ、動けなくなる。
ほら、やっぱり誰かに手伝ってもらっていたら良かった。そうしたら取ってきてもらえたのに。
まあいいか。どうせ新しい冷えピタを取りに行くだけだし。
山本さんの気が落ち着くまでもうちょっとこのままで。
頭の下にある氷枕にもうしばらく頑張って仕事をしてもらおう。
山本さんが眠ったのを見計らって、急いで新しい冷えピタを取りに行った。
速攻で仮眠室に戻り、慎重に冷えピタを張り替えると
一瞬だけ眉間に皺が寄ったけれど、すぐにそれは戻り何事もなかったかのように寝息を立てる。
冷えピタにも気づかないほど疲れているのかな。
山本さんが目を覚ましたのは、日が傾き始めた頃だった。
山本「ん、あれ……」
不思議そうにキョロキョロとしている。
山本「何で僕、仮眠室に……?」
ん、どういうことだ?
今の口調から察するに多分、幼児退行はもう治っている。
渡辺「起きましたか?」
山本「うん。僕、今日の記憶がないんだけど何でここにいるの?」
渡辺「何でって、俺が執務室に入ったら倒れていたんですよ」
山本「え!?確かに身体が重いとは思っていたけど、倒れるなんて……」
これは言うべきか言わざるべきか……。
渡辺「その上幼児退行までしちゃって、看病するの大変だったんですよ」
大変だったのは本当だから、これくらいの仕返しをしてもバチは当たらないでしょう。
山本「幼児退行!?最悪……」
そう言って項垂れる山本さんは、見るからに体調がマシになったようで安堵した。
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遥香さん、リクエストありがとうございました!
こんな感じで大丈夫でしたかね?
宜しければまたリクエストよろしくお願いします(*^^*)
お知らせ & 作者の雑談(2つ)→←幼児退行 / ymmt -遥香さんリク-
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凛花(プロフ) - ゆあるさん» いえいえ、早めに教えて下さったので修正出来ました!こちらこそいつも読んで下さりありがとうございます(*^^*) (2021年4月4日 11時) (レス) id: 322dd9cdae (このIDを非表示/違反報告)
ゆある(プロフ) - 素早い修正ありがとうございます。これからもこの作品を楽しみにしています。 (2021年4月4日 10時) (レス) id: b5adb7b493 (このIDを非表示/違反報告)
凛花(プロフ) - ゆあるさん» すみません、今修正させて頂きましたので、12の方へ飛べると思います!教えて下さりありがとうございました! (2021年4月4日 10時) (レス) id: 322dd9cdae (このIDを非表示/違反報告)
ゆある(プロフ) - すみません。リンクが体調が不良気味のようです【QK】12に繋がらないのですが、どうすれば良いですか? (2021年4月4日 10時) (レス) id: b5adb7b493 (このIDを非表示/違反報告)
凛花(プロフ) - ルルさん» なるべくこれからも週1ペースは守ろうと思っていますので、たまにめちゃくちゃあいた時は、ゆっくりとお待ち頂けると嬉しいです。暖かいお言葉を下さり、ありがとうございます(*^^*) (2021年4月2日 5時) (レス) id: 322dd9cdae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛花 | 作成日時:2021年1月10日 21時