体調が不良気味のようです【QK】-11-

幼児退行 / ymmt -遥香さんリク- ページ46

今回はwtnbさんsideで進みますので、予めご了承下さい！

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今日はオフィスに早めに来た。


俺が1番だと思っていたけれど、靴が既に1つあって少しがっかり。


この靴は山本さんかな？


ガチャッ


渡辺｢おはようございます｣


いつも返ってくるのに、今日は俺が挨拶しても返ってこなくて


渡辺｢あれ、あの靴って山本さんのじゃなかったっけ？｣


自分の勘違いかと思ったその時


中に進むと少し見えた足、更に進むと見えた身体に一瞬心臓の鼓動が速くなった。


渡辺｢山本さん！｣


床に横たわる山本さんに急いで近寄った。


おでこを触るとめちゃくちゃ熱くて、俺は何とかして出来るだけ急いでその身体を仮眠室へと運んだ。


浅い呼吸を繰り返す山本さんの姿に胸が苦しくなる。


渡辺｢今のうちに必要なものを取りに行くか｣


一旦仮眠室を出て、体温計や冷えピタ、水などを取りに行った。



体温計がなかなか見つからなくて、仮眠室を出てから20分も経ってしまった。


早く持って行って冷えピタを貼ってあげないと。


渡辺｢え、泣き声……？｣


仮眠室への距離が近付くとどんどん大きくなっていく。


どう考えても仮眠室の中から聞こえているよね？


ゆっくりと扉を開けると当たり前だけど山本さんしかいない。


山本｢こぉ、ちゃ……｣


山本さんは俺を見つけた瞬間に潤んだ目から涙を零して名前を呼んだ。


渡辺｢え、山本さん！？｣


何で泣いてるんだ……？


山本｢だれも、いなかったぁ……！こわかった……！｣


喋り方が幼い気がする。


え、これって所謂……


渡辺｢幼児退行ってやつ？｣


本当になるんだ……。


山本｢こぉちゃん……どこにも行かないでね？｣


赤い顔に潤んだ瞳で見つめながらねだるように首を傾げられ、不覚にも可愛いと思ってしまった。


渡辺｢どこにも行かないよ｣


俺の言葉に山本さんは安心したように微笑んだ。

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