体調が不良気味のようです【QK】-9-

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それから、オフィスに行くにも買い物に行くにも、公共交通機関と呼ばれるものに乗れなくなった。


またあれが起こったらどうしようと考えてしまって、怖くて絶対に乗れない。


それに、電車に乗ろうか迷うと、あの時の周りの人の冷たい目がフラッシュバックして


あんな目を向けられるのはもう嫌だと、余計に避けてしまう。



初めて起こった日から1週間が経った時


恐れていたことが起こってしまった。


渡辺｢っ……！｣


激しい目眩に、動悸。


唐突に起こったそれは、また俺に死の恐怖を味わわせる。


起こった場所が問題で


伊沢｢こうちゃん！？｣


山本｢大丈夫……！？｣


よりによってオフィスで……。


あの時みたいに冷たい視線を向けられるんじゃないかと、別の恐怖までもが襲ってくる。


いつもの如く、数十分もすれば治まって


渡辺｢すみません……｣


気まずくなって、取り敢えず謝った。


福良｢謝らなくていいよ｣


伊沢｢こうちゃんさ、病院行かない？｣


渡辺｢病院ですか……｣


俺も、行くべきかなとは思っていた。


でも、もしその間にまた起こったら？


今度こそ死ぬかもしれないし、また色んな人に冷たい目で見られることになる。


そう考えたら行きたくても行けなかった。


伊沢｢俺も一緒に行くからさ。病院行かないとこうちゃんが不安でしょ？｣


伊沢さんを付き合わすのは申し訳ないけど、1人よりは怖さがまだマシかもしれない。



後日に病院で検査をしてもらった結果、パニック障害と診断された。


正直、驚いた。


自分とは無縁な病気だと思っていたし。


100人に1人から2人の割合で発症するらしいし、確かに高い確率だけど


それでも、俺は98人側の人間だと思っていた。


抗うつ薬と抗不安薬を処方してもらって、暫くは様子見。


医師に言われた用量をちゃんと飲んで、効き目が薄いようなら量を調節するらしい。


伊沢｢こうちゃん、治るまで俺もサポートするから。頑張ろうね｣


渡辺｢ありがとうございます｣


伊沢さんの言葉はすごく心強くて、治療を頑張ろうと思えた。

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