体調が不良気味のようです【QK】-9-

精神系 / izw -(名前声優大好きさんリク- ページ21

カチッ


高らかに鳴り響くマウスのクリック音。


その直後、画面には"購入済"と表示された。


準備は完了、あとは届くのを待つだけ。


伊沢｢寝よ……｣


右下に目をやると、もう3時をまわっていて


俺はゆっくり立ち上がり、ベッドに横になった。



〜3週間前〜


伊沢｢やば……！｣


折角、完成間近だったのに……。


作っていた企画のもののデータを飛ばしてしまった。


最高の出来だったのに。


めっちゃ悩んで時間をかけたのに。


あの作業をもう1度やるのか？


それはキツすぎる……。


でも消えちゃったものは元に戻らないし、やる以外に方法はない。


これをきっかけに、何もかもが上手くいかなくなった。


良い企画が全く思いつかないし


動画の撮影でも、テレビの収録でも


コメントは疎かクイズさえも答えられなくて、調子が悪いの一点張りしか出来ない。


流石に長すぎるし｢大丈夫ですか？｣｢何かあったんですか？｣なんて……。


心配までされてしまった。


俺はもう終わったのか？


もう出来ないのか？


とか……良くないことまで考えてしまって。


最初はこんなこと考えている方が終わってしまう！とか何とか思って考えないようにしていたけど


今はもうそんな考え方なんて出来ない。


流石に焦る。


考えれば考えるほど、良くない方に進んでいっている気がして


どんどんど壺にハマっていく。


伊沢｢辛い｣


俺のスランプなんて、誰にも話せない。


俺が勝手に悩んでいることだから。


伊沢｢……って、言えれば良いんだけどな｣


誰かに助けを求めたいって思っていても、どうにもならないことは分かっていて


だから余計に辛い。


動画の撮影で、純粋に心配してくれるみんなの言葉や目が痛い。


みんなが思っているほどの、そんな大変なことで悩んでないから。


伊沢｢死にたい……｣


1人の部屋でポロッと無意識に出てきた言葉に、自分でも驚いた。


俺、死にたかったんだ……って。


伊沢｢終わる兆しなんてないしな……｣


いっその事、死んじゃった方が早く楽になれるんじゃね？


そう思ってしまった。

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