俺達は女忍びを捕まえた。【刀剣乱舞】 (ページ25)

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その25 ページ25

「お前、地味な顔立ちだが…よく見りゃあやりがいのありそうな表情してるじゃねえか…へへ…」

気色の悪い笑みを浮かべながら、さらに距離をつめてくる。

正直、この男から逃げるのは簡単なことだ。
だが、どこへどう逃げたらいいのかがわからない今、こうやって部屋の中で追いかけっこをするしか選択肢はないのだ。

「いつまで逃げ回ってんだァ？そろそろ限界だろうよ」

いや、体力的な限界はまだまだなのだが、精神的にはもう限界なのだ。
遊女はいつもこんなやつの相手をしてるのかと思うと、なんだか辛かった。

「いつまでもそうやってっと、上に言いつけてやるぞ？俺は南町のデケェ商いやってる家の出なんだからな！！！」

その言葉に、心臓がドクリと跳ね上がる。

南町の大きな商家といったら、一つしかない。
その商家は以前から任務依頼が来ていたものの、なかなか家の者の正体が掴めず任務は行き詰まっていたのだ。

___今ここでこの男に近寄れば、何か情報を引き出せるかもしれない。

そう思った瞬間、今までの私的な思考回路が一切遮断された。