その24 ページ24
「…ということで、まず短刀が彼女の居場所を特定して、その後に脇差が彼女を救出。
何かあった時の用心棒に、太刀と打刀が数振ついていくってことでいいかな」
「ちぇっ、俺たちは留守番か」
歌仙のまとめに対して少し不服そうな御手杵を、加州がバシッと叩く。
「何言ってんの、俺たちはこの本丸も守らなきゃなんだよ。ここには主だっているんだから」
「まぁ…たしかにそうだな」
審神者は
「一刻も早くお嬢さんを助け出すように」
と、男士達に時間の猶予を与えてくれた。おかげさまで出陣と内番をすこしの間休めることになり、彼らは救出作戦のほうに集中できた。
「では、部隊を決めようか
短刀は…そうだな、何かあった時のために乱、あとは…」
「あの、ボクにも行かせてください」
ゆっくりと手を挙げたのは、五虎退。
「忍びさんには前に助けてもらったことがあって…その、恩返しがしたいんです」
覚悟を決めた様子でそう言う五虎退を見て、歌仙は微笑む。
「わかった。気をつけるんだよ」
「ありがとうございます…！」
「あとは…脇差だね。脇差は…」
「はーい！俺！俺行く！」
元気良く手を挙げたのは浦島。
「わかった。じゃああと一振り、誰かいるかい？」
「じゃあ、僕行きます」
後に手を挙げたのは、堀川。
「これで短刀と脇差は決まりだね。
あとは打刀と太刀を一振ずつ選びたいんだが…どうしようか」
「太刀は私が行きましょう」
「え？！は？！俺が行こうと思ってたんだが！！」
「鶴丸殿では少し不安です。第一私には五虎退を助けていただいた御恩がありますから」
「そ、それなら俺だって…」
「鶴丸、君はお留守番だ」
「な…！！歌仙まで一期の肩を持つのか！」
「あのね、肩を持つ持たないの話をしてるんじゃないんだよ」
呆れ返った歌仙がため息を吐きながらそう言う。
「じゃ、打刀は俺が行くぜ。堀川もいるからよ」
最後に和泉守が手を挙げ、部隊は決まった。
「…あの娘を頼んだぞ」
鶴丸は刀を置いて、静かにそう言った。
.
「うわーッ！こっち来ないで！！！」
先程まで部屋には誰も入って来なかったというのに、突然酔っ払った客が入ってくるなら私の足を開こうとしたのだ。
「んだよ、客に黙って股開くのがお前らの仕事だろうが！だはははは！！」
下品に笑う酒臭い男は、そう言いながらこちらにじりじりと近寄ってくる。
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作者名：にわ | 作成日時：2020年2月7日 19時
