俺達は女忍びを捕まえた。【刀剣乱舞】 (ページ23)

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その23 ページ23

「う…ん…？」

ズキリ、と頭に鈍い痛みが走り、意識が戻る。

目を細めながら少しずつ視界を広げていくと、そこに映っているのは見慣れない豪華絢爛な天井だった。

私は両手両足がキツくしばられた状態で、部屋に転がされていた。

「(まずい、こんなの予想してなかったけど…この結び方ならなんとかほどけるかな)」

私はなんとか試行錯誤して里で学んだ解き方を思い出しながら、少しずつ紐を緩くしていった。

…不覚だった、まさかあんなところで攫われるなんて。

声を出せばどうなるかわからないので、紐をほどききった後にそのまま部屋の様子を軽く観察する。

どうやらここは遊郭の一部屋らしく、障子越しに廊下を歩く人々の会話が聞こえてきた。

『今日は上物が入ったらしいじゃないか』
『ここの遊郭も最近は人攫いでしかやっていけねぇっていうからな！ハハハ！！』

上物が入った...？

ということは、私以外にも攫われた女の子がいるってことなんだろうか？

いつまでも横たわっているのも時間の無駄なので、部屋の安全を確認し終えた私はパッと立ち上がり、次に廊下の様子を確認した。

「このまま外に出ればまた捕まるだろうし…遊女に変装しようと思っても衣装が…あ」

衣装がない、と思ったその時、部屋の隅に丁寧に畳まれた襦袢があることに気がついた。

「襦袢一枚で廊下をうろつく遊女っているんだろうか…」

遊郭への潜入調査はしたことがなく、う～んと頭を悩ませる。
しかも今の時間帯は夜。1番お客が彷徨いていて、迂闊に外に出ればどうなるかわからない。
いくら訓練を積んでいるとはいえ、無駄に面倒なことに巻き込まれる方は避けた方が良い。

不運なことにこの部屋に窓は無く、外の様子がどうなっているかもわからない。

「どうしようかなぁ…」

襦袢に着替えたものの、その後の行動ができずにずっと唸り続けていた。

.

「…なんてこった」

一方本丸では、「忍びの娘が遊郭に連れて行かれた」という議題で会議が開かれていた。

乱れが本丸に帰るなり必死に息を整えながらその旨を伝えると、鶴丸は刀を持ってすぐに向かおうとしたが、なんとかそれを抑えて突入の計画を練ることになったのだ。

「計画も何も、さっさと娘を探し出して姿を消しちまえばいいだけなんじゃないのか」

「いや、彼女が今どんな状況で拘束されているかわからない限り、下手に行動するのはかえって危険だ」

なかなか落ち着かない鶴丸を、歌仙が宥めた。