俺達は女忍びを捕まえた。【刀剣乱舞】 (ページ19)

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その19 ページ19

青年は私を真っ直ぐに見据えてそう言った。

「見せられないなら無理矢理にでも見てやる」

彼が私の方へ歩み寄った瞬間に、私は勢いよく彼の前に腕を出す。

「これが忍術です。不忘の術と言って、腕に傷をつけて＿＿＿」

　
　

説明しようとしたが、私がそれ以上しゃべる続ける前に青年は声を少し荒げる。

「二度とやるな、自分自身を傷つけるなんて」

　

その言葉に、違和感を抱く。

「自分の身体の使い道は、自分で決めます。」

「この本丸にいる限りは、君の身体は俺達の管理下にある」

「何を言って...」

なぜ管理などされなければならないのかと聞く前に、彼は傷だらけの私の腕を引っ張る

そして

「ここにいる間は、君は忍びじゃなくて一人の女として過ごしてくれ」

私を抱き寄せ、そう言った。

急に密着され驚いた私は彼の肩を押し、すぐに離れる

　

「ここにいる間は任務は無いので忍術を使うことはないです、安心してください」

「...そうか」

なぜそんなに切なそうな顔をするんだろうと、不思議で仕方なかった。

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「＿＿＿ってことがあったんだが、まさか自分の腕に傷をつける記憶術があったなんて驚いたぜ」

外は暗くなり、月が高く登っている。

煌々と輝く月をどこか上の空な様子で見ながら、鶴丸は忍びの子との出来事を話した。

忍びの子は既に床に就いていて、しっかり眠っているところを歌仙が確認した。

「俺、忍びとかって分身したり池に潜ったりするだけかと思ってた」

「俺も清光と同じこと思ってた」

自分の隣に座る安定は腕を組みながらそう言う。
すると、向かい側に座る歌仙は呆れ顔でつっこんだ

「あのねぇ、君達......忍びっていうのは君達が思っている以上に過酷なものだよ。」

その言葉を聞いて、鶴丸は眉を潜める

「例えば、どんなことするんだ？」

「仕える主君に"やれ"と言われたことはやるだろうね。それがどんな内容であっても。

そうだね、例えば＿＿＿クノイチの場合は自分の身を売ったりする事もあるだろう」

淡々と話す歌仙。その内容に俺は絶句する。

「何それ...歌仙、あの子ここで養おうよ」

「無茶を言うな、そんな事言ったって忍びのあの子が素直に"はい"と言うわけがないだろう」

「まぁ、そうだよね」

どこか納得していない様子の安定は、そう言いながら溜息をついた。