【ツイステ】オクタヴィネルの元寮長

Episode31 "Love Me Again" ページ32

・




クロウリー「困りましたねぇ。寮生の部屋に監視カメラはないので、キングスカラー君の証言は証明できないのですよ」



レオナ「……なら、コイツがエリの野郎の死に関係してるって証拠もねぇだろ」




レオナがクロウリーに噛み付いた発言をすると、クロウリーは目を細めて微笑んだ。




クロウリー「ええ。しかし、マイヤー君がアンバリアス君の部屋に入った後、室内から消えたのはどのように証明します？」



レオナ「…………」





Aはしばらく黙っていた。

そしてクロウリーの目に、目を合わせようと黒い仮面に目を向けた。

クロウリーは優しげに首を傾げる。





クロウリー「どうしました？マイヤー君」





クロウリーが聞くと、Aは、今まで少しも開かなかった口を開いてこう言った。





『……………学園長は、何に忠実ですか』



レオナ「………？」



クロウリー「なに、とは？」





3人の間に冷たい空気が流れる。

レオナは、この重苦しい空気に冷や汗を流した。





『そうですね。例えば、金ですか？それとも、人？モノ？利益？美？悪？……他にもありますよね』



レオナ「イカレちまったのかコイツ」



クロウリー「うーん。どうでしょう」



『……レオナ先輩、席を外してください。もう俺をかばってくれなくても大丈夫ですから』



レオナ「おい」



『行ってください。学園長と話がしたい』





レオナは不満気な顔をして、部屋を出ていった。Aが何を話す気なのか気になっていた。しかし、その内容をレオナが聞けることはない。


レオナの足音が完全に消えてから、クロウリーは椅子に座り直して、つけていた仮面を外した。





『…………なんで外したんです？』



クロウリー「こうして目を見合わせてお話を聞いた方が、分かることが増えると思いましてねぇ」



『………もう全部分かってんだろ。なのに、まだ俺の口から言わせてェんだな』



クロウリー「フフ、"君が殺した"ということ、分かっていますよ。ですが、なぜ私があなたを警察へ引き渡さないと思います？」




クロウリーがAを引き渡さない理由。証拠を隠蔽して抹消した理由。それは────────





『アンタは"利益"で動くから？』



クロウリー「なぜそう思う？」



『アンタ、いや。この学園いろいろおかしいだろ』



クロウリー「おかしい？」



『………そう』





話始めようとするAを見ながら、クロウリーの瞳が揺らぎ始めた。

Episode32 "Strange"→←Episode30 "I'm happier than ever"

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す