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私も…… ページ38

.







「Aが好き」





私も好き



そう言えたらどんなに楽か



好きだよ玲於

大好きだよ



あんなに酷い別れ方をしたのに
他に愛する人がいる貴方を懲りずにまだ愛してる




『はっ、あは、はは』



乾いた笑いが寝室に響く



『私は佐野くんの事、嫌いだよ』



それは息をするように自然に口をついて出た言葉



『ずっと滅茶苦茶になればいいと思ってた』

『こんな関係、美月さんにバレてさ!!!』
『手に入った幸せの何もかも!!』


『……失えばいいのにって!!』



嘘だよ

ただ傍にいたかっただけ
貴方の隣にいたかっただけ



「A」


『全部捨てて私を選ぶ勇気もないくせに…
好き、なんて簡単に言わないで』


『お気に入りのおもちゃが人に取られそうになったから…好きだって勘違いしてるだけだよ』

『ね?そうでしょ??』


「違う」


『違わない』


「俺はっ、最初から!!!」



まただ

こうやって言おうとした事を飲み込む

あの時も

今も



『佐野くんは大事な事を私に言わない』


「今は……言えない」


悔しそうに下唇を噛む佐野くん



『もうこんな関係やめよう』

「A……!!」

『ごめん、私が…言い出したのに』

「A!!聞けって…!!」

『佐野くんも美月さんに申し訳ないと思うなら』

「聞けよ!!!!!」



佐野くんの怒鳴り声に肩がビクリと震えた




「美月は…今、関係ないだろ…」

『関係あるよ』

「俺は、Aに言ってんだよ!!」
「Aの事が好きだって!!!」

『っ、……、』




お願い

もう…何も言わないで



『わかった、やめようなんか言わないから』
『何もかも戻ろう』
『今日の事も…忘れて…今日は、何も無かった』



『私達はいつも通り…ここで会って身体を重ねる』

『……それだけの関係』




きっと酷く情けない顔をしていたんだと思う
佐野くんは私をみて苦しそうに顔を歪ませた




「なぁ、1個だけ…答えて」

「そしたら全部忘れる」
「前みたいに…戻るって約束する」



縋るように手を重ね見つめ合う

佐野くんの瞳は涙で濡れ、頼り無さげに揺れている


それがなんだかとても綺麗で




「俺のこと好き?」




見惚れて





『……っ、好き…』






嘘がつけなかった









.

忘れる夜→←どうして



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設定タグ:GENERATIONS , 佐野玲於 , 中務裕太   
作品ジャンル:恋愛
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きのこ(プロフ) - 面白くてもう4回ほど読み返してます!つづきが気になって仕方ありません!早く最終話見たいです! (2019年8月10日 22時) (レス) id: dee6d0cf2f (このIDを非表示/違反報告)
華娘@だ〜す〜.片寄LOVE - 次のお話に期待(=∀=) (2018年12月27日 19時) (レス) id: 3347e30700 (このIDを非表示/違反報告)
恋色(プロフ) - れやさん» ついにー!最終話目前!ですね!!昨日よりお知らせの1番最後に進捗状況を載せております。矢印の先が49話になれば一気に更新されます!いわばカウントダウンのようなものです!!わくわく! (2018年12月24日 3時) (レス) id: 46a95c52fb (このIDを非表示/違反報告)
れや(プロフ) - ついにですか!!! (2018年12月24日 2時) (レス) id: e2c96a96ac (このIDを非表示/違反報告)
恋色(プロフ) - グリムパンさん» わーい!!グリムパンさん!!コメントありがとうございます( ´:ω:` )読み続けて頂けているようで、嬉しいです!更新あともう少し、お待ち下さい(^^)! (2018年12月12日 11時) (レス) id: 46a95c52fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:恋色 | 作成日時:2018年10月28日 2時

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