いつもの所 ページ31
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私たちの間で"いつもの所"と言えばただ一つ
何度も何度も人目を避けて逢瀬を重ねた
このマンションの一室のこと
ただ会って、身体を重ねるだけ
そんな目的には似合わず2LDKという広さが
私には不思議で仕方なかった
佐野くんに聞いても顔をしかめるだけで
なにも教えてくれない
そんなことを考えているうちにエレベーターは
最上階へと到着する
ここにくるといつも背筋が伸びる様な思いになる
なんとなく、自分を偽って大人になれる
簡単に嘘をつけてしまう
佐野玲於を求めている自分ではなく、
ただ快楽に溺れている愚かな女…そんな風な
鍵をみれば、朝付けたばかりの
ハリネズミのマスコットと目が合った
裕太さんが近くで「頑張れ」って
言ってくれてるみたいに感じれて、
今日はいつもより素直になれる気がした
『よし』
気合を入れて扉に手をかける
『わ！っ、え！？』
私が扉を開けるより早く中から扉が開かれる
その勢いのまま正面にいる彼に腕をひかれ
彼の胸の中にもたれかかってしまった
バタン、と音を立てて閉まった扉で我に返る
『えっと……佐野くん？？』
『佐野くーん？？』
「来てくれねぇと思ってた」
何度か呼びかけた少し後にそう呟いた佐野くん
声がいつもより弱々しくて心配になってしまう
『……どうして？』
『佐野くんに呼び出されたら行くに決まってるじゃん』
佐野くんの広い背中に腕を回し
まるで小さい子を宥めるかの様に
一定のリズムを保ってトントンと背中を叩く
すると佐野くんは腕に力を込め
私をキツく抱き締めた
「ごめん」
「俺…頭に血上って……ガキみたいな態度とった」
「あの人にも失礼な事言ったし」
「呆れられたって思ったし……怒ってるだろうなって」
『怒ってたよ』
「………ごめん」
久しく見ていなかったしおらしい佐野くん
なんだか付き合っていた時みたいだ
そう思ったのを口には出さずに閉じ込める
『人前であんな風になる佐野くん初めてだね』
「………Aが男といたから」
「嫉妬した」
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きのこ(プロフ) - 面白くてもう4回ほど読み返してます！つづきが気になって仕方ありません！早く最終話見たいです！ (2019年8月10日 22時) (
レス) id: dee6d0cf2f (このIDを非表示/違反報告)
華娘@だ〜す〜.片寄LOVE - 次のお話に期待(=∀=) (2018年12月27日 19時) (レス) id: 3347e30700 (このIDを非表示/違反報告)
恋色(プロフ) - れやさん» ついにー！最終話目前！ですね！！昨日よりお知らせの1番最後に進捗状況を載せております。矢印の先が49話になれば一気に更新されます！いわばカウントダウンのようなものです！！わくわく！ (2018年12月24日 3時) (レス) id: 46a95c52fb (このIDを非表示/違反報告)
れや(プロフ) - ついにですか！！！ (2018年12月24日 2時) (レス) id: e2c96a96ac (このIDを非表示/違反報告)
恋色(プロフ) - グリムパンさん» わーい！！グリムパンさん！！コメントありがとうございます( ´:ω:` )読み続けて頂けているようで、嬉しいです！更新あともう少し、お待ち下さい(^^)！ (2018年12月12日 11時) (レス) id: 46a95c52fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋色 | 作成日時：2018年10月28日 2時
