我が主はわがまま姫【巴日和】 (ページ25)

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24話ページ25

24話
sideA

(プロポーズ……ですよね？)

ずっと一緒に……という日和さんの言葉を反芻しながら夜空を見上げていた。

従者だった私は日和さんの┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「こ、恋人……」

言葉に出しただけで頬が熱くなったのがわかる。
何を浮かれているんだ私は。

気を引き締めるように頬をバチンと叩く。
勢いをつけすぎて少し痛い。

「…でも、本当に……？」

都合の良い夢を見ているんじゃないかと思ってしまう。
信じてるけど信じられない。
…ダメだ、脳が上手く働かない。
一旦睡眠を取るべき、ですよね。

ベッドに横たわり、目を閉じる。
寝ようとしているのに脳裏によぎる日和さんの告白の言葉。

「う、うわぁぁ……！」

ダメだダメだ！眠れるわけが無い！
……そうだ。

体を起こし、机に向かう。
眠れないのなら寝なければいい。
明日しようと思っていた仕事でも片付けてしまおう。
疲れれば自然と眠たくなるだろうし……。

ー次の日ー

「…」

一睡も出来なかった。
でも、勤務の時間が迫っていた。

「…茨に割り振って貰いましょうか」

きっと彼なら余計なことを考える暇が無いくらいの仕事を振ってくれるはず┈┈┈┈┈

茨「いや、寝てください」
「…え？」
茨「え？じゃありませんよなんですかその顔は」
「いや、寝れなくてですね……」
茨「寝てください。今あなたに割り振れる仕事は全くないので！」
「え？でも急ぎで片付けたい案件があるって――」

茨が持っていた資料を机に置いた。
そのままスタスタと近付いてきて鏡を眼前に押し付けられた。

茨「ご自分の顔をよーく！ご覧下さい！！明らかに寝不足な顔つきにその隈！殿下が見ればどう思うでしょうか！！？」
「…怒ります」
茨「そうですよくお分かりになりましたね」
「いや、これでも十数年従者だったので……」
茨「今は従者ではないでしょう」

茨に背中を押されながら仮眠室に移動する。

茨「良いですか？ちゃんと寝てくださいね！？」
「わ、わかってますよ」
茨「…環境の変化に戸惑うこともあるかと思いますがこれだけは心に留めておいてくださいね。…あなたなくては今の殿下は居ないということを」

それだけ言うと茨は出ていった。
……そんなこというタイプじゃないと思っていたのに。

「…おっと」

流石に身体が限界を迎えていたらしい。
ふらついてしまった。
お言葉に甘えて、仮眠させてもらおう。