我が主はわがまま姫【巴日和】 (ページ13)

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12話ページ13

side日和

ジュン「あれ、Aさんじゃねぇーすか？」
日和「A？」
ジュン「ほら、あのカフェにいる」

すぐにクリーム色の髪が目に入る。
それと同時に赤髪の男も目に入った。
あれは多分燐音先輩かな

ジュン「デートですかねぇ？意外だなぁ」
日和「デート？？！！！」
ジュン「いや冗談っすよ。Aさんが興味あるとは思わないですし」

なんかモヤモヤした。

日和「ジュンくん行くよ」
ジュン「え、マジっすかおひぃさん」

カフェに入りすぐに2人に近づく。

日和「偶然だね2人とも」
燐音「やっほー日和ちゃん」
日和「2人は何をやっているのかな？」
燐音「柊ちゃんが1人でカフェにいたから俺っちが邪魔してただけっしょ」
日和「ふーん……」

Aの方を見た。
Aは本に目を落としたまま僕を見ない。

日和「……A」
「は、はい……！？」

今気付いたかのように僕を見るA。
その表情を見てびっくりした。

日和「……A、顔が真っ赤だよ」
「え？！」

見たことがないくらい照れたように顔を赤くしているA。
耳まで赤い。

「ちょ、ちょっと暑いみたいで」
日和「今冬だけど？」
「暖房がよく効いてまして」

暖房のせいじゃないよねそれ。

日和「燐音先輩、Aに何言ったのかな？」

この人が何かしたに違いない。

燐音「俺っちは本当のことを言っただけだなぁ。なぁ、柊ちゃん」
「いや、その……」

面白そうに話しかける燐音先輩にイラッとした。
それに答えるAにも。

僕はAの腕を掴み引っ張る。

日和「ジュンくん、ここのお会計済ませといて」
「え、いや。私が払うので」
日和「黙って着いてくるといいね」
「え、え、はい」

戸惑うAを引っ張りそのままカフェを出る。
何もかもが不愉快だった。
デートだと言ったジュンくんにも。
あんな表情にさせた燐音先輩にも。

僕の知らない顔をしたAにも。