両片思い《 永瀬 》

＃３ ページ19

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＿＿ ガチャ、と神宮寺さんが開けてくれたドアをくぐって、大きな食堂の中に入る。








周りに立っているメイドさんが挨拶をしてくる。








それに１つ１つに返していると、






後ろから優し過ぎる笑い声が聞こえた。








廉「 そんな丁寧に挨拶せんでええんやで？笑 」






「 れ、廉さんっ…おはようございます！ 」






廉「 敬語、戻ってんで 」








廉さんは私に微笑みかけるようにすると








慣れたように自分の席に腰掛けた。








私は苦笑いをしながら、ぎこちなく椅子に座る。








２人が席に着いたのを見届けると、メイドさんや執事さんが朝食を運んで来てくれる。








こうしてみると…本当に凄いところに






嫁に来てしまったんだと実感してしまう。








なんだか気持ちの整理が落ち着かなくなって








出てきた食事が上手く喉に通らない…








まずい…と思った時に、




向かいの廉さんが口を開いた。








廉「 今日は式場とか、決めよか 」








その言葉に弾かれたように廉さんの方を見る。








「 し、式場…？結婚式するの？ 」






廉「 え？…女の子ってやりたいもんやろ？ 」






「 や、やりたいけど… 」








あまりに突然の事で驚いたけど…




廉さんらしいな、人の事を考えられる所。








言葉に甘えて決めに行こうかな。








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