無気力なメカクシ団No.13の少女は烏野高校３年生なのです← if 【ハイキュー!!】【カゲプロ】 (ページ20)

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第５８話ページ20

Aside

『…………。ねぇ、ホントにこの辺りなの？
器のありかって』

「そのはずだよ、ねーちゃん。
俺が調べたんだから間違いなし！」

僕が今立っているのは、有名な某博物館の屋根。もっかい言うね。屋根。
太陽が照りつけて暑いったらない。

耳に着けた機器から聞こえるのは、今本当だったら会社にいる筈の弟、夏也。

会社経営で忙しいあの子は学校に行ってない。
空いた時間に教科書をパラパラ捲れば分かるらしくて、教師もつけてない。

こんにゃろ、天才め。

『その自信どこから来るわけ……。過信じゃないこと祈ってるよ』

「あるよ。その博物館に展示されてる史上最高のブラックオパール。
それが現時点で最も"器"に適したモノなんだ」

『ブラックオパール………ねぇ』

送られてきた画像に目を向ける。
漆黒の中に見る様々な色は、まるでこの世の全てを閉じ込めたかのよう。
……確かに"器"に適してると言えるかもね。

「侵入経路送る？それとも一般人のフリしてかっさらう？」

『軽く物騒だね。……いいよ、フツーに行って取ってくる』

「ﾋｭ～♪やっぱそれでこそねーちゃんだよね」

称賛ととれなくもない言葉を聞き流して、
僕は裏口の方に飛び降りる。

それからなに食わぬ顔で人混みに紛れて、博物館に入った。

平日なのに賑わう室内。
受付で買ったチケット、その辺にあったガイドブックを鞄にしまう。

『地下……か。面倒だなぁ』

ぼやきながら順路通り進んで、エレベーターに乗って、地下4階に。

移動途中に【凝らす】でじっくり視たけど、
警備員は辺りにいないし。
制御室らしき所も遠いし。
防犯対策も何一つしてない。

……この博物館、展示物守る気あんの？