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「まず、赤髪の娘が言っていた通り、俺はお前達とあの日が初対面だよい」
「…本当?」
「嘘をつく理由がねぇ」
全くAは心配症だなぁ、と頭をその手でわしゃわしゃと撫でられる。久しぶりのスキンシップに笑みがこぼれ、手を振り払うことが出来ない。
「で、何だったか…あぁそうだ。‘‘もう一人居たのか’’という発言についてだったな」
「…うん」
「単純な話だ。赤髪の娘の方が早起きで、たまたま先に会っただけだよい」
「……えっ??」
聞き間違いだろうか?
確かにその日ウタは私より早く起きていた。だからシャンクスもウタだけを先にマルコ達に紹介していた。で、その後私に会ったから‘‘まだ子供いたんかい’’となった。
シンプルすぎる…!!
どうしてこんなにも単純なことに気づかなかったのか、自分に対する怒りよりも羞恥が勝ってしまい顔が赤くなる。
「恥ずかしい…」
「くくっ…だが、これで疑問は解決しただろ?」
「…ちなみにウタがマルコのことを‘‘青い鳥の人’’って言ってたのは…」
「アレか?あれはモビーから赤髪の船に移る時に子供が見えたから、怖がらせねぇように不死鳥になっただけだよい」
「…」
これまた単純な回答。
どうやらウタの言う通り、私は考えすぎる性格らしい。
「これで全部か?」
「うん…あぁぁ情けない…」
自分の勝手な思い込みで皆はこうだって決めつけて、でも結局それは勘違いで、無駄に皆に嫌な思いをさせただけで…私、何がやりたかったんだろう。こんなことを確かめて…
「誰にでも間違いはある。大切なのはその後どうするかだろ?」
「…マルコ」
「明日は赤髪の娘に報告しないと行けねぇなぁ。何なら俺が面白おかしく…」
「わー!ダメダメ〜!!」
これは非常にマズイ。こういう時のマルコは何をするか本当に分からない。もしかするとシャンクスに直接言うのかもしれない、話を誇張する可能性もある。
私がやらないと…!
「私が連絡するからマルコは黙っててね!?」
「…分かったよい」
「分かってない…!!」
(お前ら、映像電伝虫に収めたか?)
(バッチリです!)
(後で弄ってやろうぜ)
(賛成)
「お前ら…聞こえてるからな?」
「 「 「…逃げ」 」 」
「リボンで縛りまーす」
「 「 「A〜!?」 」 」
本当、皆盗み聞きが大好きなんだから…
後でマルコに説教されたらいいもん。
「…ふふ」
_白ひげ海賊団は今日も平和である。
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マシロ_mashiro(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!やっぱり仲違いしたままは後味が悪いですもんね。最後までご愛読ありがとうございました(*´▽`*) (2023年5月8日 7時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - コメント失礼します! 一気読みしてしまいました。最終的にそれぞれの、気持ちを話し合って和解できて良かったなって思いました。とても、面白かったです!! (2023年5月7日 23時) (レス) @page50 id: 18462604da (このIDを非表示/違反報告)
マシロ_mashiro(プロフ) - 文ストオタクの一般人さん» 過保護になりすぎないように執筆していたはずなのにいつの間にか…妄想って怖いですね笑、どんどん拡がっちゃいます。ご愛読ありがとうございました! (2023年3月14日 16時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
文ストオタクの一般人 - 皆過保護だけどマルコがwwめっちゃ良かった!、、、です! (2023年3月14日 8時) (レス) @page47 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
マシロ_mashiro(プロフ) - 桔梗さん» そう言っていただけると執筆したかいがありました!最後までお付き合い頂きありがとうございます!! (2023年2月10日 18時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マシロ_mashiro | 作者ホームページ:http:
作成日時:2023年1月7日 15時