【第五人格】推し達に嫌われてます

四十二話 ページ44

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｢とりあえず、離してくれないかしら？｣

｢断る。目的は何だ｣


表情を全く変えずに答えるナワーブ
"さっきまで爆睡してたんだけどお腹がグーグー鳴るもんで〜" …なんて言ったら確実に殺される

…深夜テンションのせいで頭が上手く働かない
まずはボロが出ないように、極力を会話を避けてどうにかする


｢…貴方、何か勘違いしてないかしら？同じサバイバーなのに何故そんなに疑うのよ｣


まず目的とは……何らかの尋問でも受けてるんですかね私


｢…は？｣


少しの沈黙の後、ナワーブは訳が分からないというような、何ともマヌケな声を出す
…これってもしかして…ソフィアだって気づいてない？

よくよく考えると、私は今床に叩きつけられさらに拘束され、オマケに床とにらめっこ状態
だから月光が顔に直接当たないため、私の姿が見えない


(そもそもコイツは誰だ？暗くて顔がよく見えない…サバイバーの誰だ？)


私はさっき "私はサバイバーだ" と言った
流石のナワーブもそれは信じる…はず
サバイバーの誰かということは、高確率で私以外の善良な女性サバイバーだということ(私だけど)
つまり…


(エマやエミリー達の…仲間の可能性もある。……俺は、仲間を傷つけ……て)


ヒュッと呼吸音がしたかと思うと、ナワーブはバッと私から勢いよく離れた

その場から離れた事により月光が当たらなくなり表情が見えなくなったけれど、胸から首あたりを抑えながら座り込んでいるのが分かった


｢ち、が…あの時は、アイツが……俺が…？俺がエマを…ヘレナを………イライ、を…｣

｢ちょ、ちょっと…｣


明らかに様子がおかしい、呼吸も…
…もしかして、過呼吸？
慌ててそばに駆け寄り、肩に触れようとしたとき＿


｢触るな！！｣


ドンっと突き飛ばされ、壁に激突する
体中が痛い…けど、今はそれを気にしてる場合じゃない
明らかにパニック状態、しかもさっき言ってた言葉


＿俺がヘレナを、エマを、イライを


心眼・庭師・占い師(ヘレナ・エマ・イライ)、そして…人形師(アイツ)
間違いない、例の試合のメンバーの事だ
でも気がかりなことが1つ、ナワーブが三人に何かをしたということ。もしかすると、ソフィアによって…？


｢…っ｣


もし…もしも、ソフィアが『身代わり人形』の外在特質を使ってナワーブの動きを操り、他の三人に酷いことをしたとしたら…？

ナワーブが私を嫌うのもうなずける
ねぇ、イライ…どうやって仲良くなれって言うのさ

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