四十話 ページ42
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オフェンスは、第五人格が始まってから…つまり初期からいたサバイバーの一人
だから経験も多いはずだし、口喧嘩していただけというのも分かっていたはず
…いや、もしかしたらソフィアがやったって勘違いしている可能性もある
それでもエダと同じように私を責めなかったのは、ソフィアを怒らせたらどうなるかを分かっているから
「ソ、ソフィアさん…」
ウィリアムに手を引かれてエミリーの所に連れて行かれている時、エマは一瞬だけ不安そうに振り返った
ここで声をかけたらもっとめんどくさい事になりそう…
でも、何も言わないのは納得がいかなかったため、私は口パクでこう伝えた
「…!」
_ごめんね
「それじゃあ、私は部屋に戻るわ」
何事も無かったかのように、なるべく平静を装ってその場を去る
その間、エダに睨みつけられていたのは気づかなかったことにした
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「…結局、エマに謝れなかったな」
周りに誰もいないことを確認して、ボソッと呟く
何が行けなかったんだろう…
エマの意見は要約するときっとこうだ
"貴方に何が分かるの?"
「私は(直接)試合に出ないから分からない…か」
皮肉とも受け取れるその言葉は、私の心を軽く傷つけるのに十分で…エマにそういう事を言われたのはかなりショックだった
第五人格をやっていたから、皆の事は分かってると思っていた。思い込んでいた
でも実際は何も分かっていなかったんだ
知ったかぶりをして、知ろうともしなかった
決めつけて、本当にそうか確かめもしなかった
「馬鹿だなぁ…私」
重い足取りで歩き続けて数分
やっと自分の部屋にたどり着くことが出来た
ガチャッと静かにドアを開けると、テーブルの上に二つの封筒が置かれていた
「…あぁ、背景推理か」
でも何で2つ…?と疑問が浮かんだけど、そういえば昨日も夢だと思って試合に出てたんだったと思い出した
正直推理する気分じゃないけど、どうせ暇だから見るだけ見ようと思い封筒を順番に開ける
5.隠れんぼ_無知は罪だが、責めることも出来ない
結論:
誰も近寄らない場所、ここなら絶対に見つからない
今度こそ兄に勝つんだ
6.警告の看板_人というのはどうして過ちを繰り返すのか
結論:一枚の新聞
十代前半の少年が地雷を踏み即死した
近くにいた少女は無傷で無事保護された
「…ソフィアには兄がいたのか。でもかくれんぼをした場所に地雷が埋まっていて、地雷を兄が踏み亡くなった」
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いちゅご - うっわぁー、今作もなかなか素っ晴らしい作品ですことぉ、いやー頑張って下さい!応援しますね! (2021年12月8日 6時) (レス) @page37 id: 64d6b8d47d (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 面白いです!前作から来ました!今作も更新頑張ってください!応援してます! (2021年12月7日 19時) (レス) @page36 id: f8a065d408 (このIDを非表示/違反報告)
水1000 - 新作おめでとうございます。前作と対照的なんですね。とても素敵です! というか、好きです。更新は無理せずにのんびり頑張ってくださいね。 (2021年12月4日 13時) (レス) id: 7eeeabd9b8 (このIDを非表示/違反報告)
シロツメココロ - 大変遅くなりましたが、新作おめでとうございます! ストーリーがとても素敵で引き込まれるような…面白い作品です。更新頑張ってください。私も学生なので、無理にとは言えませんが (2021年12月4日 12時) (レス) @page21 id: 17dcd8da60 (このIDを非表示/違反報告)
焙じ茶 - とってもとっても好きです、、!更新楽しみに待ってます、頑張ってください! (2021年11月29日 17時) (レス) @page24 id: 0167f82c96 (このIDを非表示/違反報告)
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