【第五人格】推し達に嫌われてます

三十八話 ページ40

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通電によって中治りが発動し、ダウン状態から負傷状態まで回復する
救助するなら今しかない…！

急いでエマを救助する
ゲージはもう本当にギリギリだった


｢即死を取って4通…私も腕が落ちましたね。それとも…｣


リッパーはエマを追いかけながら私…いや、正確には私が操作している祭司の方をチラッと見てこう言った


｢"貴方"のおかげですかね？｣

｢…さぁな｣


フィオナはきっと自分の事だと思っているのかもしれないけど、きっとそれは違う…私だ。私に向かって言ったんだ
意外と厄介なハンターだ…リッパー


｢"ゲート解放進度10%"｣


オフェンスのチャットだ…開けているのは山ゲート
エマは、山ゲートに近づけさせないように中央の方に離れて行った

とりあえず、今まで使っていなかった長距離ワープをオフェンスの方に繋げる
ゲートはもう開くから引き分けは確定…

…したけど、エマは危機一髪が発動している時に1ダメージ貰ってしまい、効果が切れると同時にダウンする
エマは飛び…脱落する


｢…ごめんなさい｣


フィオナに聞こえないように、静かにつぶやく
皆は恐怖に耐えて頑張っているのに、私は安全地帯でのんびり他人を操っているだけ
…試合に出れなくて良かった(この外在特質で良かった)と思ってしまっている自分が、私は大っ嫌いだ


｢"頑張れ！持ちこたえろ！"｣


このチャットを最後に、エマは飛んでいってしまった
すると、ゲートに赤黒い煙が現れる


｢…瞬間移動｣


ここでダウンして戦犯になる訳には行かない
祭司を操作してゲートから出させる
オフェンスは、残ったボールを使って旋回タックルを決め、最後まで時間を稼いで脱出した


＿＿＿＿＿＿＿
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｢3逃げで勝利…｣


あの後、心理学者は小舟横にあったハッチから逃げを決め、何とか勝利を勝ち取る事が出来た
…勝てたのに、何故か嬉しくない


｢A｣


人形師の名前ではなく、本当の私の名前を呼ばれる
待機部屋を出ると、迎えに来てくれたのかイライが立っていた


｢初めての試合、お疲れ様｣

｢正確には二回目だけどね……でも、ありがとう｣


何故か悲しそうにする私を見て、何となく予想していたのかイライは気にしなくて良いと声をかける


｢それが君に出来た最善だったんだろう？君はエマを助けるために全力を尽くした。それで十分だよ｣

｢でも…｣

｢なら彼女に直接聞いてみたらどうだい？｣


…エマに、直接。
行ってみよう、それでハッキリさせる

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