【第五人格】推し達に嫌われてます

二十話 ページ22

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｢ふわぁぁぁ｣


チュンチュンという小鳥の声…ではなく "ほぉ" という梟の鳴き声で目が覚めた

時間を確認すると、朝の八時頃だった
そっか…昨日あのまま寝ちゃったのか

ぐーっとお腹がなる
そういえば夕飯を食べずに寝ちゃったから、他の皆に心配…はされるわけないか、嫌われてるし


｢さて、起き……梟？｣


寝起きで頭が全然働かないけど、体を無理やり起こした事で意識がだいぶ覚醒した
そう、梟…イライの梟！？

布団を蹴飛ばして慌てて窓を確認する
窓の外にはこちらをじーっと見てくる片目を閉じた梟がいた。…イライの梟だぁ

あれ、これまずいのでは？
確か占い師の外在特質の一つに、梟をサバイバーに飛ばして様子を確認するってのがあったはず…


｢…おはようございます？｣


何故か梟に挨拶をしてしまう、変人かよ
やっぱり寝起きで深夜テンションならぬ早朝テンション状態になってるんだ…


｢…ほぅ｣


イライの梟…通称 ぽっぽちゃんは一回鳴くとどこかへ飛んで行ってしまった。
多分イライの所に戻るんだろうけど、いくら嫌いでもまさか監視されるとは…人は見かけによらないなぁ

昨日が濃い一日だったからか、昨日と比べたらある程度の耐性が出来た気がする
今なら冷たい態度を取られても平常を装う事が出来そう


｢よし、朝ごはんを食べに行こう｣


早速ダイニングルームに向かう
廊下に出ると、人の話し声が聞こえてくる
朝の試合とかで起きてるのかな…？

最悪の場合は、食べ物だけ取って部屋で食べることも考えないとな…
覚悟を決めて、扉を開ける


｢ねむーい！｣

｢そうか？俺は慣れたけどなぁ。やっぱり子供っぽいなトレイシー｣

｢言ったね？ナワーブだって小さいくせに｣

｢こらこら二人とも、朝から騒がない｣


…思ってるよりも人いました
私が来たことに気づいていないのか、それとも無視しているのか、ワイワイ食事を取っていた


｢…｣


無言のままとりあえず朝食をトレーに乗せる
部屋で食べることにしたからだ
流石に一人無言で食べるのは気まずすぎる
私が耐えられない

少し離れた所で、女性陣で固まって朝食を食べているエマが視界に入る
…いや、一緒に行動するほどの仲じゃないしやめておこう


｢…あ｣


パチッとエマと目線が合う
反射的に目を逸らしそうになるけど、笑顔でペコッと頭を下げる


｢エマ、どうかしたの？｣

｢あ…な、何でもないの！｣


皆にバレないように、小さく手を振ったのを私は見逃さなかった

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