十三話 ページ15
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「いえ…ですが、今ちょうど出来た所です」
「…え?」
訳が分からず一瞬気を抜いてしまった
リッパーはその一瞬の隙を見逃さず、自身の左手の刃を私に突き刺そうとした
「っ……あれ、痛くない」
恐らく来るであろう激痛に耐えようと目をギュッとつぶる。…が、いくら待っても痛みは来ない
不思議に思い、恐る恐る目を開けると先程と変わらない様子でリッパーがこちらを見ていた
「どうしました?ハンターのサバイバーへの攻撃は禁止されています。まさか、知らないわけじゃないですよね?」
仮面で隠れているせいで表情は読み取れなかったけど、確実にニヤついているのは理解出来た
「まぁ、そんなことはどうでもいいですね。私が貴方に聞きたいのは、貴方が何者かについてですよ」
「…何者?」
まさか、私がソフィアじゃないのがバレてる?
いやそんなはずは無い。
そもそもリッパーがソフィアと会ったことがあるわけないし、きっとカマを掛けているだけだ
「そうですね…では、貴方の名前は?」
「天月…A」
さっきの人達には天月Aで名乗ったから、こっちでもきちんと名前を統一しないといけない
リッパーは "なるほど…" と呟くと、確信を突くように言った
「貴方、人形師ですよね?」
想定外の言葉に、思わず顔がひきつってしまう
なんでバレて…
「あぁ、言っていませんでしたね。私は貴方と一度だけ会ったことがあるんですよ、ソフィアさん?」
まずい、非常に不味い事態になった
まさかソフィアがハンターと…しかもリッパーと会っていたなんて。
どうする?もしも白無常さん達にこの事を話されたらいよいよ居場所がなくなってしまう…どうにか交渉しないと
「目的は?」
「目的…というより、興味本位で聞いてみただけですよ。もしも貴方が人形師なら今すぐにでも切り裂いて良かったんですが、別人ならそんな事は出来ませんからねぇ」
待って今物騒な言葉が聞こえたよね?
私が本物のソフィアだったら切り裂いていた?
え、待って怖い。何のために…?
「ソフィアが何かしたんですか?」
「そうですね…簡単に説明すると、彼女に見事にはめられましてね。一週間試合禁止になったんですよ」
サバイバーだけでなく、ついにハンターにまで手を出していたなんて…その勇気だけは認めたい
「次は貴方の番ですよ。貴方は何者なんですか?Aさん」
…仕方ない。
私は誰にも言わないことを条件に、全部正直に話すことにした
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いちゅご - うっわぁー、今作もなかなか素っ晴らしい作品ですことぉ、いやー頑張って下さい!応援しますね! (2021年12月8日 6時) (レス) @page37 id: 64d6b8d47d (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 面白いです!前作から来ました!今作も更新頑張ってください!応援してます! (2021年12月7日 19時) (レス) @page36 id: f8a065d408 (このIDを非表示/違反報告)
水1000 - 新作おめでとうございます。前作と対照的なんですね。とても素敵です! というか、好きです。更新は無理せずにのんびり頑張ってくださいね。 (2021年12月4日 13時) (レス) id: 7eeeabd9b8 (このIDを非表示/違反報告)
シロツメココロ - 大変遅くなりましたが、新作おめでとうございます! ストーリーがとても素敵で引き込まれるような…面白い作品です。更新頑張ってください。私も学生なので、無理にとは言えませんが (2021年12月4日 12時) (レス) @page21 id: 17dcd8da60 (このIDを非表示/違反報告)
焙じ茶 - とってもとっても好きです、、!更新楽しみに待ってます、頑張ってください! (2021年11月29日 17時) (レス) @page24 id: 0167f82c96 (このIDを非表示/違反報告)
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