十二話 ページ14
・
「そうなんです!私実はハーフなんです。けど、生まれも育ちも日本なんですよね〜!」
こんな盛大な嘘を言ったのは初めてかもしれない
流石にこれは無理があったかな…?
恐る恐る美智子さんの様子を伺うと、納得したらしく微笑んだ
「そうなんやね、疑ってごめんな」
何この人めっちゃ良い人なんですが
その後は皆とお茶会もどきをして楽しんだ
本当は別のことでも良かったんだけど、白無常さん曰く
「気づいてなかったんですか?Aさん、ずっとお腹鳴っていましたよ」
だそうです。クスクスと笑いながら言われるもんだからさらに恥ずかしくなってしまった
まぁ、多分朝から何も食べてないからなぁ…
普段食べないような洋菓子をご馳走されて、心もお腹も満たされた。
あまりこっちにいると怪しまれるため、お茶会もどきが終わったらお礼を言って直ぐに帰ってきた
帰る直前にハンターの皆から
"ハンターに会っていた事はサバイバーには黙っておくように" と念押しされた
サバイバーがハンターと仲良くしてるって知られたら悪い印象与えそうだもんな…
元々嫌われているのにこれ以上嫌われたら本当耐えきれ無くなりそうなので、きちんと忠告は守ろう。
ちなみに、今回ハンター館にたどり着いたのは本当に偶然で道順なんて1ミリも分からないことを伝えると、この荘園内の地図を渡してくれた
うぅ…なんて良い人達なんだ…!
地図とにらめっこして約五分。地図の文字が英語で書かれていたためちょっと迷子になりかけたけど、何とか後ちょっとという所までたどり着いた
今いるのはサバイバーとハンターの共用スペース
ここを通り過ぎてなんやかんやあって自室へとたどり着ける。
偶然か、はたまた奇跡か、ここに来るまで誰ともすれ違うことがなかった。…避けてる可能性もあるけど。
願うことならこのまま誰とも出会うことなく帰らせてくれ…!
「おや、貴方は…」
おい待てさっきまで誰もいなかったじゃん
来て欲しくない時に来るって物欲センサーでも働いているんですかね
まだ脳内で文句を言えるほど余裕があるように感じるかもだけど、残念ながらただの現実逃避です
だってこの声は…私がさっき考えていた "サバイバーに恨みはないけどヤバい人" の一人
「…。何か私に用ですか?リッパーさん」
動揺しているのがバレないように、にっこりスマイルで必死に誤魔化す
そう、私の後ろにいたのはあの切り裂きジャックが元ネタであるリッパー…ジャックだった
170人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちゅご - うっわぁー、今作もなかなか素っ晴らしい作品ですことぉ、いやー頑張って下さい!応援しますね! (2021年12月8日 6時) (レス) @page37 id: 64d6b8d47d (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 面白いです!前作から来ました!今作も更新頑張ってください!応援してます! (2021年12月7日 19時) (レス) @page36 id: f8a065d408 (このIDを非表示/違反報告)
水1000 - 新作おめでとうございます。前作と対照的なんですね。とても素敵です! というか、好きです。更新は無理せずにのんびり頑張ってくださいね。 (2021年12月4日 13時) (レス) id: 7eeeabd9b8 (このIDを非表示/違反報告)
シロツメココロ - 大変遅くなりましたが、新作おめでとうございます! ストーリーがとても素敵で引き込まれるような…面白い作品です。更新頑張ってください。私も学生なので、無理にとは言えませんが (2021年12月4日 12時) (レス) @page21 id: 17dcd8da60 (このIDを非表示/違反報告)
焙じ茶 - とってもとっても好きです、、!更新楽しみに待ってます、頑張ってください! (2021年11月29日 17時) (レス) @page24 id: 0167f82c96 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ