8UPPERSのセカイ（eight） (ページ28)

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『これ、くくりつけて来て良いですか？』

ま、俺が書いたモンじゃないし、名前くらいなら他には身バレせんやろ

「えーよ」

「わーい、行って来まーす』

目薬の効能が弱まって来たんか、さっきの慎重な足運びとは打って変わって跳ねる様な勢いで奉納する場所へ行き、下から二段目の空いたスペースにくくりつけようとしてるんを見て、

「ちょ、待てって」

追いかけて行き、後ろから絵馬を取り上げ、一番てっぺんにくくったった。

『わ、ありがとうございます///』

すぐ側にいるAの事見下ろしたったら、満面の笑みでこっち見上げてめっさ嬉しそう。

…そんな顔、すんなやっ

俺の事を、…俺の名前を忘れろって言わんとあかんのに決心鈍るやろ///

『どうしたんですか？』

「………///」

俺の只ならぬ雰囲気を感じ取ったんか、少し怯えた表情のA見てたら、抱きしめて胸に隠す事しか出来へんかった…。

…変やな。初めて会った時は、今の何倍も何十倍も何百倍も怯えた顔してて、そんなお前にゾクゾクしてたのに、今は全然見たくない気分。

「A…」

『はい』

「俺の名前…、忘れろとは言わん。けど、陽が落ちたら口にするな」

精一杯の譲歩策…、

「A、返事」

『…はい。わかりました』

こんなんで巻き込まずに済むのかは謎やけど…

「もし、助けが必要な時はその目に触れながら俺を呼べ」

『…はい』

多くを語らなくても、なんとなく悟ったんやろ。
ホンマ、トロそうに見えて賢い女//

～♪

「…あ、電話」

～♪

『あ、アラーム』

必然的にふたりは離れて、Aはアラームを消してリュックを探り、俺は少し離れて電話に出る

「もしもし？」

「エース、打ち合わせや。戻ってこれるか？」

…ace。

そか。俺、今リョウやったからこんなに穏やかな気持ちで居れたんやな。

「エース？聞こえてるか？」

「もちろん。…１時間で戻ります」