第三十八話 ページ39
僕は別空間を呪いの手足に発生させ、十字架に磔にしたかのような姿にさせる。
「なっ!や、やめろ!」
呪いの肩あたりと骨盤のすぐ下まで黒い輪が覆う。
「一つ忠告しておくよ。
呪術師が己の術式を語りだした時は自らに縛りをかけ、術式の最大限の力を出すために相手に術式について話すんだ。
呪術師と戦う時は相手が手の内をさらけ出した時は終わりだと思った方がいいよ。
まぁ、もう君は呪術師と戦うことは無いよ。
……
呪いの肩から下と骨盤から下の手足がねじ切れ、呪いは悲鳴をあげる。
「クソクソクソクソ!こんなもの!すぐ治してやる!」
呪いは胴体と頭だけでじたばたと暴れるが、何も起こらない。
「なんで!?なんで治らないんだよ!」
「無理だよ。
君が呪力を傷口に流して再生してる事は初見で見たからね。
手足の傷口に僕の虚空空間を造らせてもらったよ。
だから、君がどれだけ傷を治そうと呪力を込めても全ては僕の空間に流れ込み消滅する。」
「こんのクソ呪術師が!僕がこんな所で死んでいいはずがないんだ!こんなところでぇ!」
僕は呪いの身体を虚空空間に入れた。
この空間に入ったものは僕以外は必ず数秒後に存在が塵となって消えていく。
ただ、それも僕の呪力が残っている時だけ。
残っていないと虚空空間に残ったものはそのまま空間に残される。
今回は……まだ余力が残ってるから大丈夫かな。
父さん……母さん……僕……強くなれてるかな?
二人の自慢の息子として、これからもっと頑張るよ。
僕の携帯が鳴り響く。
そういえば、さっき電話してる時にすぐ切っちゃったもんな。
「もしもし?一条です。さっきはすみませんでした。無事、廃病院の呪霊は……え?ちょっと待ってください。伏黒君達三名の呪術師が向かって一人死亡!?どういうことですか!ちょっと!」
電話は切られ、プーっという電子音だけが流れた。
電話の内容は東京の呪術高専一年生三名が呪霊の討伐に向かい、一人死亡という報告だった。
誰だ……!?誰が死んだ……!?
とにかく、急いで東京まで戻らなくちゃ…!
僕はその朝にすぐ新幹線の始発にのり、東京に戻った。
情報が少なく、誰が死んだのか分からない。
不安で心がとても押しつぶされそうになる。
僕があの時任務を受けずに四人で言っていれば……!
そんなどーしようもない怒りが僕の中で溢れていく。
すぐに呪術高専に戻り、学長に話を聞くと死んだのは……虎杖悠仁だった……
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作者名:ハクスイ | 作成日時:2019年7月2日 5時